Netflixのストリーミングサービスがクリスマスイヴの昼間に急に停止するという事故が発生した。余儀なくサービスが停止されるというハプニングは、24日月曜日の正午過ぎ(太平洋標準時間)に起こった。Netflixを視聴できるすべてのデバイスでサービスが停止したという。米報道ロイターによると、Netflixのストリーミングサービスの加入者は世界規模で3000万件である。今回の事故はそのうちの全米全土、カナダ、ラテンアメリカの加入者2700万件に影響を与えただろうとしている。

事故発生当時、同社のスポークスマンは「我々は現在、何が起こったかを正確に調査しているが、停止の原因は当社が利用しているクラウドサーバー側にある」と言及していた。Netflixでは、同社のクラウドサーバーとしてAmazon Webサービス(AWS)を導入している。

事故発生当時のAWSの説明によると、「US-East-1リージョンのElastic Load Balancing(エラスティック・ロードバランサ(ELB))の一部で、大規模なトラフィックロスが発生している。現在、APIコールのエラー増加率を調査している」としている。ロードバランサのトラフィックが発生源ではなく、API側が”EC2インスタンスがコールに対応できない”と報告を出し続けたことが要因と見られている。

その後の発表によると、バージニア州にあるAWSクラウドコンピューティングセンター側で午後12時30分(太平洋標準時間)にサーバー停止が発生、回復までの時間は25日の午前8時(太平洋標準時間)まで要した。しかしNetflix側のサービスが回復したのはサーバー復帰よりも早く、24日の午後11時までには通常通りに戻ったという。

今回のAWSのサーバー停止による影響はNetflixのほか、ソフトウェア会社HerokuやSNSのScopeにも及んだ。AWSのサーバー事故は今回が初めてではない。今年に入って何度も発生しており、その際にもNetflixやInstagram、Raddit、Foursquareなどのサービスに影響が発生した。

皮肉にもアマゾンのプライム・ムービーサービスでは、障害は発生しなかったことから、アマゾンではAWSのELBは利用していないようだ。

(山下香欧)