米国最大のケーブルプロバイダーであるComcast社(コムキャスト)が、Googleからモトローラのホーム事業を取り込んだArris Group社の株8%分を買い取ることが明らかになった。
合意についての発表は1月14日に行われ、Arrisは自社株1.5億ドルにあたる1060万株をコムキャストに売却する。ArrisとGoogleの間では、Arrisが現金23.5億ドルと自社株15.7%分(3億ドル)を発行することになっており、取引は今年の4月に完了する予定だった。Googleにとっては、Arrisが自社株をコムキャストへ売却することで1.5億ドルが現金で入ってくる。現在の同社の時価総額に基づけば、取引が終了した時点でコムキャストとGoogleは両社とも、約7.85%分のArris株を保有する。
Arrisは昨年12月の声明の中で、モトローラホームの買収は次世代のホームビデオ製品やサービス提供を促し、またモトローラモビリティが保有する広範な特許から利益を得ることを可能にすると述べた。Arrisとモトローラホームが一体化することで、IP環境下のデジタルホームやセキュリティ技術が加速化するとアナリストの間では期待されている。
デジタルホームに関しては、昨年12月にAT&Tが140億ドルを積み込んだ3年計画の導入プロジェクト「ベロシティ」を立ち上げ、同社のネットワークを向上させて、車、家、そしてセキュリティシステムまでネットワーク接続させる構造を開始している。一方、コムキャストでも既に「Xfinity Home」というデジタルホーム構想でホームIPネットワークおよびセキュリティを展開している。Googleは、今やケーブル事業者が恐れるインターネットサービスを開始しており、コムキャストのネットワークを超越するファイバーサービスを使った家庭のデジタル化を狙っている。
(山下香欧)