CES2013では、Gadmei社ブースで新しいAndroid4.0搭載の裸眼3Dタブレットモデル「T863」(1280×768)や「E8-3D」(1280×800)がお目見えしたが、T863(199ドル)での映画コンテンツの再生ではブロックノイズが酷く、他仕様についても高批評は得られていない。

米国の3Dコンテンツ開発技術を持つ3D Film Connectionから、レンチキュラーLCDを採用した8インチクラスの裸眼3Dタブレット「NEO3DO」が今春に市場に投入される。2D/3D変換ソフトウェアによる2D/3Dのハイブリッドタイプのタブレットで、特許の視差バリアスクリーンが採用されている。視差バリアスクリーンは精密な連なるスリット層で構成されており、左右それぞれの眼に異なるピクセル信号を見せることで奥行き感を生成する。3Dコンテンツは前傾30%、奥行きは70%で表示される。

視差バリアスクリーン

8.1″ディスプレイの解像度は1280×800。ハードウェア構成は、CPUにCortex A9(デュアル1.5GHz)、GPUに2基のMali400を実装している。2Dタブレットとしても処理速度ではハイスペッククラスに位置する。802.11 b/g/nの無線LANに対応。リアとフロントカメラを搭載、SDカードスロットやUSB、HDMIを実装している。

NEO3DOには、サンプル3Dコンテンツが入ったUSBがバンドルされて299ドルで購入予約が開始されている。またベンチャー企業への資金を支援するサイトindiegogoでは、245ドルで正規価格より安く先行購入予約ができる。

NEO3DOタブレット専用のSDKも提供されており(80ドル)、例えばゲーム開発社3Dizzyでは同社サイトにアップロードした映像を本タブレットで3D再生できるアプリを開発中だという。

3D Film Connectionでは、シルク・ド・ソレイユやMGMリゾートインターナショナル、米国オプトメトリック協会のコンベンションの裸眼3Dシステムなどに関わってきており、これら数年の実績を元に裸眼3Dタブレットデバイスを開発したという。コンシューマ市場には現在、4インチクラスのLG Optimus 3D P920や7インチクラスの新しいAsus Eee Pad MeMO 3D(今夏発売)、Nintendo 3DSといった、モバイル裸眼3Dデバイスが出回っているが、ゲームやムービーコンテンツを楽しむには多少ディスプレイが小さいと同社は語る。CES 2013で参考出展したNEO3DOタブレットは、多くの業界企業から支援の声があったという。

(山下香欧)