株式会社フジ・メディア・ホールディングスと伊藤忠商事株式会社が昨年、共同で設立した「エフ・アイ・メディア企画株式会社(FIM)は、「音楽権利ビジネス」と「テレビ通販事業」の2分野で番組制作を行い、4月からフジテレビを含めたアジア各国で放送を開始する。

これは、フジ・メディア・ホールディングスと伊藤忠商事がFIMを通して、アジア各国におけるテレビ番組を核とした新規事業構想の事業化調査を共同で行っていくなかでの第一ステップという。

新規事業構想は「アジア・メディア・ネットワーク構想」と呼ばれ、アジアの複数のテレビ局と業務提携を結び、各局で放送するテレビ番組を核としたネットワークを構築し、番組に関連したビジネスを行っていくというもの。

番組制作は日本側で担当し(フジテレビ湾岸スタジオにて収録)、あらかじめ出演者や音楽の著作権処理を行った上で、各国の放送に備える。FIMの新しい事業展開は、「経済産業省の『クール・ジャパン戦略』にも沿ったプロジェクトであり、さらなる事業推進も期待できる」という。

テレビ通販事業については、日本、台湾、タイの三カ国で開始する。各国の文化・言語に対応したオリジナルのショッピング番組「ASIA SHOPPING KING(アジア・ショッピング・キング)」を制作し(収録はフジテレビ湾岸スタジオ)、日本ではフジテレビで4月27日から、アジア各国ではショッピング専門チャンネルで順次放送を開始する。またこれらの事業においては、独自のWebサイトを構築し、SNSを活用したコミュニティの形成やネット経由での商品販売なども行う。

音楽権利ビジネスについては、日本、台湾、韓国、インドネシアの四か国で展開する。アジアのアーチストたちのオリジナル楽曲をプロデュースする番組「ASIA VERSUS(アジア・ヴァーサス)」を制作し(収録はフジテレビ 湾岸スタジオ)、各国の地上波局や音楽専門チャンネルで放送していく。YouTube上の映像や応募楽曲からコンテスタントを選抜、審査していき、優勝を決定するという内容。4つの参加放送局から審査委員として、音楽の専門家が来日する。フジテレビでは4月19日から開始する。

(山下香欧)