Blackmagic Designは、同社のカラーグレーディングソフトウェアDaVinci Resolveのメジャーアップグレードとなる、DaVinci Resolve 10をNAB2013で発表した。2013年第3四半期の発売を予定している。既存のDaVinci Resolveユーザは無償でアップグレードが可能。NAB2013の同社ブース(SL218)にて展示が行なわれている。
同社によると、今回のバージョン10では、フィルムやテレビ業界で使用されている、さまざまなソフトウェアとのワークフローを簡素化することを重要な目的のひとつとして開発。Final Cut ProやPremiere Proのような他社編集ソフト間でタイムラインを自由に移動できるようになり、他の編集ソフトで編集されたプロジェクトのオンライン・フィニッシングが行なえるよう改良されたという。複数のユーザーが大規模で複雑なジョブに携わっている場合でも、それぞれが好きな編集ソフトウェアを使って必要なシーンを提出し、DaVinci Resolve 10上でオリジナルのカメラのRAWファイルを用いたフィニッシングが行なえるという。対応フォーマットも追加され、JPEG2000のデコード・エンコード、AVIのデコードなども可能となる。
編集画面
タイムライン上のビデオおよびオーディオトラック数が無制限で増やせるようになり、クリップごとに16チャンネルのオーディオがついた、マルチトラック編集にも対応。オーディオはビデオと独立して、同期、トリム、タイムラインにドラッグできるようになる。その他、リップル、ロール、スリップなどのトリム機能も改善され、操作中の結果が常にタイムラインとビューアー画面に表示される。ビューアー画面では、分割スクリーンで隣接したクリップのイン/アウトポイントを表示できる。プロジェクトのアウトプット時には、デリバーメニューのタイムラインにオーディオトラックをすべて表示可能。
タイトルツールでは、静止画グラフィックス、ロウワー・サード、スクロール、クロールタイトルを、様々なフォントサイズ、ドロップシャドウ、XYポジショニングを使って調整可能。タイムラインで、複数のビデオとオーディオトラックなどのエレメンツを、ひとつのクリップとして、複合させることもできる。ステレオスコピック3D編集にも対応する。
オンセットグレーディングプロセスを管理するツールとして「Resolve Live」機能を搭載。ビデオ入力から直接プライマリー、セカンダリー、パワーウィンドウ、カスタムカーブなどのツールを利用してライブカラーグレーディングが行なえる。グレーディングデータは保存され、カメラファイルがロードされた際に再度リンクするという。
カラーコレクション機能も強化される。OpenFXプラグインをサポートし、クリップごとのプラグイン数が無制限、1ノードで使用できるパワーウィンドウの数も無制限となる。Gradient PowerWindow機能によるグラデーション効果も簡単につけることができるという。その他にもトラッキングデータのコピー&ペーストや、ノイズ・リダクション(spatialおよびtemporal)やモーション・ブラーを含む、モーション・エフェクトも搭載されている。
またDaVinci Resolve 10はEasyDCPにも互換し、劇場納品用デジタルシネマパッケージ(DCP)に直接レンダリングできる。カメラRAWファイルから直接32bit浮動小数点演算でDCPファイルにレンダリングすることで高品質な仕上がりが期待できるとしている。この機能の利用には別途EasyDCPのライセンス購入が必要だ。