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公共放送フランステレビジョンはフランステニス連盟の協力を得て、6月9日までフランス・パリで開催された全仏オープンを4KウルトラHDフォーマットにて中継放送を行った。伝送にはHEVC(H.265)を採用、仏ATEMEのエンコード技術を採用して行われた。この実証実験は、ユーテルサットおよびATEMEなどフランスの9産学が参画している4EVERコンソーシアムが支援している。4EVERは、フランス産業省や地元当局、欧州地域開発基金によって支援され、2012年から3か年計画でHEVCと超高精細テレビの分野で開発・研究を進めていくプロジェクトだ。

4Kでの熱戦の模様は、競技敷地内にあるエンターテインメント施設RG LAB内に設置されたアストロデザイン社製の4Kディスプレイにパブリックビューイングとして公開した。

センターコート「コート・フィリップ・シャトリエ」(Court Philippe-Chatrier)が試験対象の競技場となり、開催2週間目の試合の模様を4K中継した。運用はAMP-Visual TVが主管となって行われ、会場に設置された3台の4Kカメラにて収録を行った。カメラはCanon EOS C500(PLマウントレンズを実装)と FOR-A FT-ONEカメラが使われた。3台からのカメラフィードによるスローモーションリプレイも2台のEVS XT3サーバを使って行っている。カメラオペレーターは従来と同じようにズーム、フォーカス、タリーなどが行え、プロダクション側でカラー調整をした。EOS C500のRAWデータはデベイヤーしてスイッチャーへ入力、また4Kに変換したグラフィッククリップも利用した。

また今回のイベントで、4EVERプロジェクトに参画しているフランステレコム(Orange)が、HEVCコーデックでTV(DVB-T2)のほかPCやタブレットといったマルチスクリーン配信を行うストリーミング放送試験も実施したという。こちらも LABおよびレンヌにあるOrangeのショールームで一般公開した。

(山下香欧)