CP+2026のNANLITE/NANLUX/GUTEKブースで注目を集めたのは、新製品のスポットライト「FC-720B」と「FC-720C」だ。従来は「Forza 720B」が同クラスの主力であったが、新登場のFCシリーズはコストパフォーマンスの高さが特徴。バイカラーで税込118,800円、フルカラーで税込138,600円という価格設定は、40万円を超えるNANLUX Evoke 600Cの同等品と比較しても、大幅に抑えられた印象だ。

もちろん、NANLUXに搭載されている最新の発光素子「Nebula C8」のような8素子エンジンではなく、FCシリーズは4素子のRGBWWを採用することでコストを抑えている。しかし、この価格差を考えれば、実用十分な性能を備えた戦略的なモデルであることは間違いない。灯体を軽量化するためにバラストを別体式にするなど、現場での取り回しも考慮されている。

一方、パネルライトの「PavoSlim」シリーズからは、4×2という巨大な新サイズのモデル「PavoSlim 360C」が登場した。価格は税込462,000円と業務用レベルだが、その設計思想は極めて合理的である。特筆すべきは、ソフトボックスを装着したまま折り畳んで専用ケースに収納できる点だ。従来のパネルライトは、組み立ての煩雑さや重量がネックとなっていたが、この仕様は設営と撤収の時間を劇的に短縮させる。また、薄型であるため、奥行きのない狭い場所や天井への仕込みにも最適である。NANLUXブランドとは異なり防水性能(IP等級)は持たないものの、その分、多様なサイズ展開と導入しやすい価格帯でラインナップを拡充している。

機能面では、プロの現場で必須となっている通信規格「CRMX」を内蔵している点も見逃せない。iPadなどから複数台の照明を一括制御できるこの機能は、今の照明演出において不可欠な要素であり、コンシューマー向けに近いブランドイメージを持つNANLITEであっても、プロユースを強く意識した妥協のないスペックが盛り込まれている。

さらにブース全体を見渡すと、3,000円程度の自撮り用ライトから、1200ワットクラスの大光量ライト、さらには多様なサイズのチューブライトまで、その製品群の幅広さに圧倒される。世界的な展示会での発表から日本国内での発売までのタイムラグを極限まで減らそうとする国内代理店であるVANLINKSの姿勢は、最新機材をいち早く導入したいユーザーにとって大きな信頼に繋がっている。

今やNANLITEは、映像制作現場を支える主要な機材の一つだ。その着実な進化は、プロの要求を反映したFC-720やPavoSlim 360Cといった製品によく現れている。照明業界での高い認知度は、現在の制作環境における存在感の大きさを物語る。自らスタンダードを確立しようとする、メーカーの明確な意志が伝わる展示であった。