ネットのライブ配信のコミュニティで面白い現象が起こっている。ライブ配信は映像と音響と通信の総合格闘技のようなジャンルだがそこで普段出会わないような人同士が出会っているのだ。好奇心旺盛なアマチュアとノウハウを共有することをいとわないプロがfacebookのコミュニティで日々情報交換をしている。3年前にネット配信部としてはじまったこの動きは専門的な話題をより深く話すために分化し今やネット音響部、ネット照明部、ネット配信自作部、ATEM Tech Laboなどグループののべ参加人数が1500人を突破するまでに成長した。
これらのコミュニティでは現場で体験したトラブルシューティングや機材の人柱レポート、新製品の分析まで幅広く行われているがfacebookグループのUI的特長もあり有益な体験談が埋もれていくこともある。またネットコミュニティの常で互いに顔を合わせたことがある人や現場を共にした人は親しみも生まれ発言が常連化していくが、その強固な結びつきが時として新しくコミュニティに入ってきた人に威圧感を与えることもある。そこで大規模なオフ会を開きグループに属している人だけではなくライブ配信に興味がある人も含め交流の場を作ろうというのが7月30日に開催予定のLEDである。場所は秋葉原のパンダスタジオ。
どこかで見たようなロゴだがLEDはライブストリーミング・エクストリーム・デベロッパーの略である。イベントは3部構成となっており13時から18時までが参加者が自分のライブ配信キットやオススメ機材を展示するEXPOで入場無料である。ユニークなのは参加者に並んでローランド・ブラックマジックデザイン・フォステックスなどのメーカーも出展すること。開発サイドとユーザーサイドが同じ会場で情報交換をするまたとない機会になりそうだ。18時からはLED3分トークと称してオープンマイク形式のプレゼンテーションを予定している。事前に参加者が凝ったパワーポイントやキーノートを用意してくるのではなくジャイアントパンダスタジオの200インチの3面マルチスクリーンにAppleTVを接続し手持ちのiPhoneやiPadをつないでひとり3分で自分の現場や機材レポートを行うというカジュアルなもの。何も準備していなくても人のプレゼンを聞いていて刺激された参加者がどんどん飛び入りでトークしていくような場作りを狙っている。22時から立食パーティ形式の懇親会で食べたり飲んだりしながら親睦を深める。なお第二部以降の参加は飲食代として3000円の参加費が必要となる。
このLEDはネット配信部・音響部・照明部・配信自作部・ATEM Tech Laboの共同開催となっているがそれぞれのグループを主宰する部長に「このイベントに期待すること」をインタビューした。
ネット音響部ではマイクやミキサーによる音声収録から様々な機器を使った音声処理等、配信に関わる音響全般について一般から業務レベルにいたるまで幅広い話題や情報交換を行っています。 単なる情報だけではなく経験や実践を踏まえより良い知識となる様に運営されています。 LEDではそれらの交流が更に深まる事を期待しています。
ネット音響部 主宰 須藤高宏氏(サウンドエンジニア)
機材を揃え、勉強し、よし配信やってみよう!と取り組んでいる人も多いと思いますが、いざやってみると画面の感じが貧相で、どうもテレビ番組みたいな感じにはならないなって悩んでる人も多いかもしれません。そこに気が付いた人は次にライティングにこだわってみると楽しいんじゃないか?と気づけるような催しになるように期待しています。
ネット照明部 主宰 田村公宝氏(ライティングディレクター)
ネット配信はまだまだニッチなアクティビティなので、それ向けの製品の種類はまだ少ないのが現状です。そこを補うのが自作ですので、こういうものが欲しいというアイデアだけでも歓迎してます。まだまだ自分で作れる人はそんなに多くないので、作れるようになりたい人、作れる人の参加もお待ちしてます。
ネット配信自作部 主宰 永山純一氏(プログラマー)
ズバリ、発想の万国博覧会ですっ!同じ機材でも使い方は千差万別、仕事の種類も好みも違う中で、「こんな使い方もあるのか!」という飛躍した発想に自分を浸し、次の自分の使いこなしのヒントを掴んで頂きたいですね。 このLEDがもたらす交流によって、変わる自分を体感し、次に感化を与えるのは自分だという勇気を持ち帰れる会であることを期待しております。
ATEM Tech Labo 主宰 井上晃氏(カメラマン)
映像、音響、照明、自作などユニークなライブ配信をしている様々なバックグランドを持った人に出会えるチャンス!7月30日に秋葉原のジャイアントパンダスタジオで開催されるLEDに興味が沸いた人はぜひこちらのリンクから申し込んで欲しい!主宰グループに入っていない人の参加も大歓迎!