ハンブルグに本部を置くドイツの公共放送局である北ドイツ放送局では、ライブ放送番組などをPCやモバイル端末にストリーミング配信する、マルチスクリーンビデオサービスを展開している。

NDRは米Elemental Technologies社(エレメンタル)のリアルタイムエンコードシステムを導入して、テレビ番組やニュース、特別イベントなどのビデオストリームを生成している。エレメンタルのリアルタイムエンコード/トランスコードシステムは、GPUを利用した高速な映像プロセッシング処理能力が最大の特徴。当局でのワークフローでは、各ライブエンコーダーで4チャンネル分のベースバンドソースをHD-SDIで取り込み、チャンネルごとに11ストリームを生成し、Akamai CDNに配信している。今までのように外注ではなく、施設内にシステムを持つことで全体に係るコストを下げることができたという。

NDRでは現地時間8月1日から開催される、世界最大級のメタル・フェスティバル「ヴァッケン・オープン・エア」を、エレメンタルシステムからライブストリーミング放送する。前夜祭からメインフェスティバルまで通しで中継する。またタイムシフトや、追ってドキュメンタリ番組にしたVODを公開する予定。

(山下香欧)