キヤノンは、同社のデジタルシネマカメラ”CINEMA EOS SYSTEM” および業務用ビデオカメラ合計8機種を対象に、性能向上ファームウエアを2013年10月より順次無償提供していく。
対応機種は、CINEMA EOS SYSTEMのデジタルシネマカメラ6機種(EOS C500/EOS C500 PL/EOS C300/EOS C300 PL/EOS C100/EOS-1D C)、および業務用ビデオカメラ2機種(XF305/XF300)の合計8機種。アップデート内容は機種によって異なる。内容は以下の通り。
ファームウェア公開スケジュール
- EOS C500/EOS C500 PL:2013年12月
- EOS C300/EOS C300 PL:2013年11月
- EOS C100:2013年11月
- EOS-1D C:2013年10月
- XF305/300:2014年1月~3月
1. ISO 80000の高感度対応(EOS C500/EOS C500 PL/EOS C300/EOS C300 PL/EOS C100)
現行の最高ISO20000をISO80000まで引き上げることを実現。肉眼では被写体の確認すら困難な暗い撮影環境でも、カラー映像の撮影が可能。
2. 色域の拡大(EOS C500/EOS C500 PL)
3G-SDI端子から出力される映像の色域の規格において、現行のBT.709に加えより色域の広いDCI-P3+とCinema Gamutの2つを追加
3. 4K1K RAWデータ出力(EOS C500/EOS C500 PL)
4K1K(4096×1080)のRAWデータで、最大120fpsの高フレームレートでの出力を実現。従来のHRAWデータよりも解像度の高い映像の記録が可能
4. EFシネマレンズ周辺光量補正(EOS C500/EOS C300/EOS C100/EOS-1D C)
EFシネマレンズ装着時にレンズの光学特性に起因する周辺光量不足を補正。
※対応EFシネマレンズ:「CN-E 15.5-47mm T2.8 L S」「CN-E 30-105mm T2.8 L S」「CN-E14mm T3.1 L F」「CN-E24mm T1.5 L F」「CN-E50mm T1.3 L F」「CN-E85mm T1.3 L F」「CN-E135mm T2.2 L F」
5. ACESproxy対応(EOS C500/EOS C500 PL)
AMPASが提唱するカラーマネジメント規格ACESの伝送規格ACESproxyに対応。モニター出力をACESpxoryに切り替えるだけで、撮影現場においてACESの色調をリアルタイムに確認でき、ACESを使ったカラーグレーディングの作業効率が向上
6. その他の性能向上
- 映像記録中に冷却ファンの動作を停止させる設定が可能(EOS C500/EOS C500 PL)
- 撮影地の位置情報を撮影時に記録できる「GPSレシーバー GP-E1/GP-E2」の使用が可能(GP-E1:EOS C300/EOS C300 PL、GP-E2:XF305/XF300)
- 現行では(録画)START/STOPボタン以外の操作を無効にするキーロックに、START/STOPボタンも含めたすべての操作を無効にする設定が可能(EOS C500/EOS C500 PL/EOS C300/EOS C300 PL/EOS C100)
- 2つの電子ダイヤルにISO感度と絞りをそれぞれ個別に割り当てることが可能(EOS C500/EOS C300)
- Wi-Fiリモート操作の際、カメラ制御とメタデータ(撮影情報)入力を2台の端末から別々に実行可能(EOS C500/EOS C500 PL/EOS C300/EOS C300 PL)
- 新たに「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM」など10機種以上のEFレンズ装着時にも、レンズの光学特性に起因する周辺光量不足を補正することが可能(EOS C500/EOS C300/EOS C100)
※対応EFシネマレンズ:「EF300mm F2.8L IS II USM」「EF400mm F2.8L IS II USM」「EF-S55-250mm F4-5.6 IS II」「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM」「EF500mm F4L IS II USM」「EF600mm F4L IS II USM」「EF28mm F2.8 IS USM」「EF24mm F2.8 IS USM」「EF40mm F2.8 STM」「EF24-70mm F4L IS USM」「EF35mm F2 IS USM」「EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM」「EF24-70mm F2.8L II USM」「EF200-400mm F4L IS USM エクステンダー 1.4×」
- 800%の広いダイナミックレンジを実現するWide DRガンマを新たに採用(EOS C300/EOS C300 PL)
- 「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM」「EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM」装着時に、画面中央の被写体にピントや絞りを自動的に合わせ続けられる機能を追加(EOS C300/EOS C100)
- Canon Logで撮影する場合、Canon Logに対してLUT(Look Up Table)をあてた映像(BT.709もしくはWide DR)をHD-SDI端子から出力することが可能(EOS C500/EOS C500 PL)
- AEシフト、測光選択、フリッカー(映像の細かなちらつき)補正低減を実現(EOS C300/EOS C300 PL)
- グリップを取り付けなくても、本体側のアサインボタンに上下左右/SETを割り当てることでジョイスティック操作が可能(EOS C100)
- 現行の1.5×のデジタルテレコンに、3×と6×を新たに追加(XF305/XF300)
- 音声ライン入力に対応。外部マイク入力端子にステレオミニプラグを接続して使用可能(EOS-1D C)
また、アップデートではないが新規対応として、XF305/XF300用のレンズカバー付きレンズフード「LH-V1」を2014年2月中旬より発売予定(価格未定)だ。