Blackmagic Designの発表によると、ドイツのサッカーリーグであるブンデスリーガのチーム、SCフライブルクは、クラブのファンがピッチ上のプレーをより間近に楽しめるよう、本拠地のメガ・ソーラー・スタジアムの放送用設備をフルHDにアップグレードし、Blackmagic DesignのATEM 2 M/E Production Switcher、ATEM 1 M/E Broadcast Panel、Compact Videohubを中心にシステムを構築し、SCフライブルクのスタジアム・テレビチャンネル用にライブコンテンツが制作されているという。
このライブイベントのワークフローにおいて中核を成すのが、Blackmagic DesignのCompact Videohubだ。この40×40ビデオルーターが、今回の設備更新でさらに1kmの光ファイバーケーブルが追加されたスタジアム内のファイバーネットワークに信号を分配する。現在、同ルーターを介して10のビデオソースがATEM 2 M/E Production Switcherへと送られており、クラブのテレビチャンネル用にほぼ同様の2つのプログラムが制作されている。そのうち1つはスタジアム内の巨大LEDスクリーン用、もう一方はスタジアムの休憩エリアやVIP接待室に設置されている計100台以上のHDテレビ用だ。
試合の日、プロダクションチームは、テレビ局「Sky Sports」による試合のクリーンフィードを使用する。このクリーンフィードは、Sportscast社がスタジアム外の中継車からライブ提供するものだ。また、スタジアム内の2台のHD-SDIカメラがBlackmagic DesignのMini Converter Optical Fiberを介してスタジオに接続され、試合前のエンターテイメントや試合後のコーチ陣の会見映像がプロダクションチームに送られる。
同テレビチャンネルには、事前に収録された前説番組や、同日に行われているブンデスリーガの他チームの試合模様などのコンテンツも含まれ、試合スポンサーの広告と併せて放送される。事前に収録されたコンテンツは2台のBlackmagic DesignのSSDレコーダーHyperDeck Studioで再生される。また、HyperDeck Studioは試合後の解説をキャプチャーし、アーカイブするためにも使用される。
スタジオの更新は、SCフライブルクがデジタルサイネージを導入した後に行われた。これにより、プロダクションチームは、フレーム同期させた2つの映像チャンネルをスタジアムの大スクリーンとデジタルサイネージに送信できる。ソフトウェアを開発するジョイ・メディア氏がBlackmagic DesignのDeckLinkカードを導入して設計した同システムによって、広告主は利用できるすべてのスクリーン上でクリエイティブなコンテンツを上映できる。
SCフライブルクのITマネージャー、ロルフ・ミュラー氏は次のようにコメントしている。
ミュラー氏:デジタルサイネージの成功を受け、スタジアム内の放送用設備のアップグレードに目を向けていたので、利用するBlackmagic製品の数を増やすことは自然なことでした。このスタジオでは柔軟かつ確実に映像素材を得ることができるため、ファンの皆様は試合前から試合後まで通して、最高品質の映像を楽しむことができるのです。