Blackmagic Designの発表によると、Island Creek Picturesが制作し、サンダンス映画祭でプレミア上映されている実写短編映画、「Me+Her」の撮影にBlackmagic Cinema Cameraを使用しているという。また、小型カメラが必要な場面ではBlackmagic Pocket Cinema Cameraが使用されている。

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「Me+Her」は、“カードボード(段ボール)・シティ”を舞台にしたファンタジー作品。傷付いた心を癒す旅に出るジャック・カードボードが本作の主人公だ。同作の監督を務めたジョセフ・オックスフォード氏とカメラマンのブラッドリー・ストーンサイファ氏は、一般的な段ボールを用いてすべての登場人物およびセットを5分の1の縮尺で作成した。

ストーンサイファ氏:私たちは多くのカメラをテストしましたが、サイズ、カラースペース、ラティチュード、そしてRAW素材をグレーディングする際の画質と柔軟性がBlackmagic Cinema Cameraを採用する決め手となりました。

12分間の同作品の撮影は、18日間に渡って行われ、合計10テラバイトのフッテージがRAW収録された。最初の撮影が終わると、フッテージをProRes Liteに変換して編集し、再度RAWファイルに戻してDaVinci Resolveでカラーコレクションが施された。

オックスフォード氏:私は非常に細部にこだわる人間です。今回の作品でも、キャラクターやセットに細心の注意を払いました。車のボンネットに付いているエンブレムや、靴底の模様ですら、ディテールに凝り過ぎたということはありません。Blackmagic Cinema Cameraを使ってRAW収録することで、これらのディテールを克明に捉え、カラーコレクションの際に素材を最大限に活かすことができたのです。

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ストーンサイファ氏:撮影は、非常に狭く閉ざされたスペースで行われ、カメラの性能が試されました。特にパペット人形を使ったシーンは通常の撮影とは勝手が違います。実写撮影の場合、カメラは地面から1.8mほど離れた位置で撮影しますが、パペットを使用する場合は地面から25cmほどの位置で撮影することになります。さらに、今回の撮影ではすべてが5分の1の縮尺になっているので、照明やカメラアングルは、控えめに言ってもかなり特殊です。カメラを構えるたびに、被写界深度も考慮する必要があります。これらはすべて、パペットのキャラクターたちの動きを人間のように活き活きと見せるためです。

Blackmagic Cinema Cameraは、非常にクリーンかつスムーズな画が撮れ、フッテージには膨大な量の情報が含まれています。Hollywood DIのカラリスト、アロン・ピーク氏はこの情報を元にカラコレを行い、キャラクターやセットに息を吹き込んだのです。今回使用したカメラとフッテージは私たちのポストプロダクションワークフローに簡単に組み込むことができたので、非常に効率的でしたね。

全制作過程を通じて、Blackmagic Cinema Cameraがメインで使用され、より小型のカメラでなければ撮影できないような場面ではPocket Cinema Cameraが使用された。

オックスフォード氏:高さ3.6m、奥行き1.2mのセットで、主人公が螺旋状の滑り台を滑り降りるシーンがありました。このセットの壁には、階段と照明が付いています。通常の大きさのカメラをこのセットに入れることはできません。ラッキーなことに、このシーンの撮影を始める少し前に、Pocket Cinema Cameraの出荷が開始されたのです。小型かつ軽量のPocket Cinema Cameraを使うことで、この特殊なセットでもパペットの動きを撮影できたのです。

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「Me+Her」は、1月22、25日にサンダンス映画祭で上映予定。チケットの購入は以下のWEBサイトより。
http://filmguide.sundance.org/film/14027/me_her