昨年秋にリリースされたサイバーリンク社のPowerDirector 12が、ハイアマチュア向けソニー4Kカムコーダーが撮るXAVC Sフォーマットの映像を直接編集できるようになった。XAVC Sフォーマットは、お馴染みのソニー独自4K対応XAVCフォーマットをコンシューマー向けとしてMP4ファイル形式を採用した拡張版フォーマット。最大150Mbpsの4K解像度(3,840×2,160)60fpsビデオの編集が可能となった。

PowerDirector 12シリーズのハイレベル版「Ultimate Suite」は編集ツールに加えて、カラーグレーディング「ColorDirector 2」、オーディオ編集「AudioDirector 4」がバンドルされ、相互間をシームレスで連動させられるようになっている。

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PowerDirector 12では、Intel AVX2およびNVIDIA社のGPU技術でのマルチGPGPUパワーを使うことで高速に編集作業およびプレビューが行える特徴を持つ。主な便利な機能としては、最大4本のビデオクリップを、ライブプロダクションでカメラソースを切り替えるように操作しながら1本の映像に編集できる(マルチカムデザイナー機能)。4カメで収録したデータを後からハイライト編集ができるわけだ。ビデオ音声、タイムコード、各クリップに手動で加えたタイムスタンプで同期させることができる。独自のアルゴリズムでビデオクリップ内の人物の顔、ズーム、スピーチ、パン、手ブレ、輝度不足のシーンを検出し、TrueTheater技術で補正。また字幕機能では、映画DVDのように表示を切り替えられるものと焼き付ける方法と選択して制作できるようになっている。

ColorDirector 2は、TrueVelocity 4レンダリングエンジンで64-bit 4K映像のカラーグレーディングが可能。HDRエフェクトへの適応や、3dl、.mga、.m3d、.cubeそして.csp形式のルックアップテーブルにも対応している。価格はUltimate Suiteで17,900円(2014年1月30日現在)。静止画編集ツール「PhotoDirector 5」も加わったフルセット版Director Suite2(24,200円)も揃っている。PhotoDirector 5では、自動レンズ調整から強力なアルゴリズムで不要な人物やオブジェクトを削除でき、人物の体型を綺麗なラインに補正するボディーシェイパーといったエフェクトのほか、最大5枚の露出値の異なる写真をHDR合成することができる。

PowerDirector 12の無料体験版はサイバーリンク社のWEBサイトからダウンロードできる。

(山下香欧)