米JVCプロフェッショナルプロダクツ・カンパニー(JVC)から、収録しながら映像をストリーミングできるProHDカメラレコーダーシリーズの新モデルが発表された。同時にストリーミングシステムとしてクラウドサービスまたはオンプレで管理できる、Zixi社製「ProHDブロードキャスターサーバー」も紹介している。ProHDブロードキャスターサーバーはファイルのトランスコードもできるストリーミングサーバー。
新モデルの「GY-HM850」と「GY-HM890」は、フジノン製の広角20倍ズーム・レンズとGY-HM650と同じく220万画素・220万画素1/3型 12bit 3CMOSセンサーを搭載した、感度F11、1920×1080(フルHD)対応HDメモリーカードカメラレコーダー。
ベライゾン4G LTEモデム装着図
ネットワークプロトコルがビルトインされており、手持ちのUSBやWi-Fiアダプタを接続すれば、デュアルコーデック設計の醍醐味により本体で録画しながらライブストリーミングすることができる。最新のZixi社のストリーミング処理技術と“Advanced Streaming Technology(AST)”とJVCが呼ぶストリーミングアルゴリズムを合わせて、与えられたストリーミング環境で引き出せる最大のパフォーマンスを自動で調整する。受信側でも(最大30%まで)IPパケット損失が発生してもストリーミングをキープすることができるという。ベライゾン4G LTEモデムであればリアルタイムでライブHDストリーミングやファイル転送ができることが実証されている。
JVCのKA-M790装着図
GY-HM890にはスタジオやマルチカメラで利用できるように68ピン系統が装備され、同社のファイバケーブルやマルチカメラモジュールや、CCU、ボックスタイプレンズや8.4インチビューファーなどのコンポーネントを装着できるようになっている。
また“プールフィード”というHD-SDI経由で外部のカメラのデータを本体に記録できる機能を持っており、これでライブストリーミングしながら他カメラソースを本体に記録することができる。本体内蔵のGPS受信機による位置情報やFTPクライアント機能で撮影内容などの情報をメタデータとして埋め込み、セキュアなFTPファイル転送が行えるようになっており、またモバイルデバイス(スマートフォンやタブレット)ではWi-Fi経由でモニタリングやレンズ制御が可能になっている。
両モデルとも、Final Cut Pro(.MOV)、XDCAM EX(.MP4)、AS-10(.MXF)、AVCHD(.MTS)とH.264(.MOV)ファイル形式で記録できる。記録媒体はSDHCかSDXCメモリカードで本体にはデュアルスロットが装備されている。
クラウドサービスでもProHDブロードキャスターのマトリックススイッチャ機能でIPアドレスを選定してそれぞれのカメラソースの行先を制御でき配信先に合わせて自動でトランスコードすることができる。
価格はProHDブロードキャスターとセットでGY-HM850が7995ドル、GY-HM890が9995ドルで正式出荷は3月。ProHDブロードキャスター単体は1995ドル。クラウドサービスの価格はまだ決まっていないが、月ベースで200ドルから300ドルを予定しているという。
(山下香欧)