日本電気株式会社(NEC)は4K/60pのH.265/HEVCによるリアルタイム圧縮を可能とするエンコーダーおよびデコーダーを発表した。昨年のInterBEEにて参考出展していた製品だ。
同社は日本電信電話株式会社(NTT)側と共に、総務省の「放送サービスの高度化に関する検討会」で示された、スーパーハイビジョン(4K/8K)の高精細映像による次世代放送サービスの普及に向けたロードマップの実現を加速するために、ハードウェアとアルゴリズムの開発を進めてきた。
今までは、リアルタイム処理を可能とするハードウェア上でのアルゴリズムが困難であった。NTTは、複数のブロックサイズでの探索と広い探索範囲を実現する高い予測効率を持つ動き予測や、映像の特徴を解析した上で事前に予測方向を絞り込むイントラ予測等のハードウェアアルゴリズムを確立し、今回SoC(system on chip)にて実現。
またNEC側では映像圧縮処理において、瞬時に画像を分析して最適なブロック分割を行う「最適圧縮パラメータ推定技術」を開発し、4K高精細映像のリアルタイム圧縮を実現した。さらに、「画像境界処理技術」で今までのような4Kを4領域に分割処理して結合表示する際の画像劣化がない高精細圧縮を可能にしたという。
現在対応するHEVCはMain10 @Level 5.1。オーディオはMPEG-2 AAC-LC profile、MPEG-4 AAC-LC profile。帯域は最大40Mbpsまで。エンコーダー「VC-8150」およびデコーダー「VC-8100」はオープン価格。4月から出荷を開始する予定。
発表文によるとNECは、本製品を「NECイノベーションワールド(品川ショールーム)」にて展示している。
(山下香欧)