Blackmagic Designは、「ATEM Camera Control」のアップデートをNAB2014にて発表した。ATEM Camera Controlは、2014年5月より同社ウェブサイトにて無償でダウンロードできる。
今回のアップデートによって、ATEMプロダクションスイッチャーからカメラへのプログラムフィードを介して、カメラのコントロールが可能になった。
新しいATEM Camera Controlは、ソフトウェアがアップデートされた新しいバージョンのBlackmagic Studio Cameraと互換性があり、プログラムリターンフィードは光ファイバーおよび通常のSDIの両方に対応、スイッチャーからのコマンドはこのプログラムフィードを介してすべてのカメラに送信される。
Blackmagic Studio Cameraは、フル機能を搭載したDaVinci Resolveプライマリー・カラーコレクターを内蔵し、DaVinci Resolveと同様にYRGBカラースペースでグレーディングを行えるので、スイッチャーのオペレーターはカメラを自在にコントロールすることができる。フォーカスやアイリスなどの設定をリモート調整できるだけでなく、フルバージョンのカラーコレクターと同様に、YRGBカラースペースでのリフト、ガンマ、ゲインコントロールが可能だ。
ATEM Software Controlのコントロールパネルでは、ATEMライブプロダクションスイッチャーの通常操作が可能。さらに、CCUスタイルのインターフェースでは、カメラのブラックやアイリス設定、フォーカスを調整できる。ATEM Camera Controlの主な機能は以下の通り。
(以下、プレスリリースより引用)
- 最大20台のカメラのカラーコントロール
- リフト、ガンマ、ゲインのコントロールなど、DaVinciで使用されるYRGBスタイルの使い勝手の良いライブカラーグレーディング
- アイリスやペデスタルレベルなど最も頻繁に行われる調整がCCUスタイルで操作可能リモートゲイン設定
- リモートシャッタースピード設定
- アイリスの粗設定
- リモートホワイトバランス選択
- リモートフォーカス
- リモートアイリス
- Aux切り替えによるカメラプレビュー。自動ローカルモニタリングでグレーディングが可能
- 「オンエア」をユーザーインターフェースで明確に表示、ミスの可能性を減少
- ロック機能。誤ったスイッチングを防止
Blackmagic DesignのCEO、グラント・ペティ氏は次のようにコメントしている。
ペティ氏:Blackmagic Studio Cameraをデザインした際、私たちはそれを最大限に生かし、ATEMスイッチャーからのカメラコントロールなど、素晴らしい機能をぜひ搭載したいと考えました。さらに、カメラ自体に、素晴らしいカラーコレクターを内蔵したいと考えたのです。
この新しいSDIベースのプロトコルによって、ケーブルを追加接続することなく完全なコントロールが得られます。1本の細い光ファイバーまたはSDIケーブルのみで、ライブプロダクションで素晴らしいクリエイティブなスタイルが実現できると考えています。過去においては、このようなカラーグレーディングはポストプロダクションでしか行うことができませんでした。これは非常に画期的なことです。この製品はもちろんオープンスタンダードで開発しており、詳細はATEMスイッチャーの取扱説明書でご確認頂けます。