米Lytro社は2年前、2次元画像(2D)を記録する代わりに全光フィールドをキャプチャする技術を持った、民生用としては初のカメラ「Lytro」を世の中に出した。画像を撮影した後に焦点を変えることで異なるフォーカルポイントを持った画像を生み出せるという、奇抜な発想を持ったカメラデバイスだ。Lytroは2000万台を売り上げ、約220億ドルの収益を得ている。

そのLytroの次世代カメラが大型センサーを搭載して登場した。製品名を変え、外姿もソニーNEXやBMPCスタイルのような軽デジタルカメラ調になっている。新Lytro「Illum(イルーム)」は、デジタルカメラのようにレンズ装着型で、焦点距離30~250mmに全域で開放F2.0の8倍ズームレンズで1:3のマクロ撮影も可能となった。72mm径のフィルターが装着可能になっている。

独自開発センサーは、旧型の1/3インチから1インチとなり、40メガレイ・ライトフィールドCMOSセンサー(1インチ4000万メガレイ)を搭載している。ボディ背面には「AEL」「AF」「Fn1」「Fn2」のボタンのほか、4インチ(800×480ドット)のタッチスクリーンを装備、そしてシャッターボタンの隣下にあるLytroボタンでは、カラーオーバーレイとして、画像データと一緒に記録されるカラー深度データをプレビューしてくれる。 140424_Lytro_lytrobtn.jpg

カラー深度データをプレビュー可能

2Dへの書き出しは最大400万画素。microSDカードスロットを備え、Wi-Fiで撮影した写真を転送することも可能。また画像にアニメーションを埋め込み、トランスフォームさせられるオーソライズツールが用意されている

そしてソーシャルメディアへの共有も、アプリを通してシームレスに行えるようになっているほか、LytroのWebサイトでもギャラリーがあり、フォーカス視点を変えられる機能をもった画像を公開できるようになっている。

Lytroカメラは現在、米国内でベストバイやAmazon.com、Target.comのオンラインで販売されているほか海外でも展開しているが、日本では未発売。

Illumの出荷は2014年7月を予定。価格は1599ドル。先行予約販売では1499ドル。主なスペックは以下の通り。

  • CPU:Qualcomm Snapdragon 800
  • カスタム設計の40レイ・ライトフィールドCMOSセンサー
  • 8倍の光学ズーム(換算30-250mm、F2)
  • 1/4,000秒のフォーカルプレーンシャッター
  • マクロ性能
  • タッチ・コントロールと可動式液晶
  • サイズ:86x145x166mm、重量:940g
  • ホットシュー装備、三脚装備対応

(山下香欧)