ソニーは、面記録密度148Gb/in2を実現した磁気テープ技術の開発に成功したことを発表した。この面記録密度は、現在主流である塗布型の磁気テープストレージメディアの約74倍で、データカートリッジ1巻あたり185TB以上の大容量データ記録が可能だという。
同社は、本成果を2014年5月4日からドイツのドレスデンにて開催される国際磁気学会2014(Intermag2014)において、本開発成果である磁気テープの記録密度測定評価に協力を得ているIBM社と共同で発表予定だ。
今回開発した磁気テープ技術は、真空薄膜形成技術の一つであるスパッタ法を用いて、5µm厚以下の樹脂フィルム上に結晶配向を乱さずに多層膜を形成する技術。スパッタ条件の最適化などにより、平滑な界面の軟磁性膜を開発したことで、結晶配向の乱れや大きさのばらつきを抑えた均一な結晶成長を可能とし、平均の大きさが7.7nmという微細な磁性粒子を有するナノ・グレイン磁性膜を実現したとしている。この技術を用いて作製した磁気テープを、原理的な記録再生評価装置で測定評価した結果、現在主流の塗布型データストレージ用テープメディアの約74倍となる世界最高の面記録密度148Gb/in2を達成したという。