パノラマ撮影クリップを利用したユニークな小惑星の映像がVimeoでちょっとした話題だ。近頃はスマートフォンのカメラで球体映像を作れるアプリも珍しくなく、さらにGoogleでのビジネスビューといったPR分野まで一般的に広がってきている。

このミュージックビデオ的な映像は、ブレーメンに拠点を置くジャーナリストで、写真家のジョナ・スジンター氏が公開しており、3Dプリンターから生まれた自家製マウントリグが唯一の鍵だったという。自家製マウントに6台のGoProカメラを実装し、水平360度、垂直180度で映像を撮る。GoProの魚眼レンズ効果がかえって視野角をカバーしているという。タイムラプス技術を得意とするスジンター氏は、ターンテーブルに固定したカメラで撮った数千枚の画像を合成するなど、この数年の間にさまざまな手法を試してみた。

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スジンター氏がこの映像制作で使用しているのは、パノラマ映像のリファレンスソフトウェアAutopano Proを開発している仏Kolorのソリューション。Kolorではワークフローをwikiサイトで詳しく紹介をしている。

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仕上げた映像はモバイル向けからローカルで視聴するUHD解像度までH.264で出力でき、スジンター氏の作品のような小さな惑星から、映像を回転させて視聴できるバーチャル世界を作り出せる。

Kolorでも6台のGoProを実装できる360度パノラマ撮影用のリグも販売しており、(価格はリグ単体で600.00ユーロから)これらを使用して作ったサンプルの4K映像(25fps)から見ても非常に高度な映像が作り上げられることが期待できる。

(山下香欧)