FIFAワールドカップの3試合が、SporTVチャンネルで4K中継されることになった。衛星放送業者Globosat(グロボサット)による衛星伝送で、FIFAとソニー社が提携して4K収録するカメラソースを利用して、4K60p/10ビットという高画質の生中継をお茶の間に届ける。ソニーではキックオフ戦から6月28日のラウンド16、7月4日のクォーターファイナル、7月13日のファイナル戦を4Kカメラで収録し、公式放送権を持つ地上波TVグロボや衛星グロボサットなどに提供していく。

この4K中継は、ブラジル国内の有料TVオペレーターのテレフォニカ傘下のVivoとOi、そしてNETの3テレビサービスよりSporTVチャンネルで放送される。4K受信機(テレビ)に、ブロードコム社の最新4K60p/HEVC対応SoC(BCM7445)が実装されているセット・トップ・ボックス(STB)を介して視聴する、次世代の商用サービスモデルの実験となる。試合現地での4Kプロダクションから米エレメンタル・テクノロジーズのエンコーダーでリアルタイムにHEVC化し衛星でアップリンクする。今回は30Mbpsで行う予定。

エレメンタルとブロードコムの4K/HEVC符号化/復号化技術の組み合わせを採用した衛星伝送による4K中継の実証実験は、ソチオリンピックのオープニングをNTV+が、そして先日の親善試合をスカイ・ドイツが行っているが、当時は4K30p/HEVC 8ビットであった。今回のグロボサットによる実証実験は、4K60p/HEVC 10ビットという、スポーツコンテンツにはより良いスペックで実施される。

SporTVチャンネルで視聴できるモニターの規模がどのくらいなのかは公開されていないが、TVグロボでも4K中継のパブリックビューイングを4KテレビとSTBの組み合わせで公共の場所に配置するほか、英BBCでも4K中継を衛星とIPプラットフォーム両方で実験する。

(山下香欧)