ARRIは先週公表したAMIRAの4Kアップグレードに加え、ALEXA XTの次のファームウェアバージョンで、ProRes3.2Kで内部記録できる仕様を実装するという(16:9のみ)。ProRes 3.2K対応ファームウェアは来年初頭にリリース予定。
ARRIによると、ProRes 3.2Kでは「シンプルなUHD(4K)アップサンプリングが可能」で、4K TVに適応した画像範囲だという。前回のアップグレードでは、4:3アスペクトで3414×2198の記録ができるARRIRAW Open Gateモードを実装している。シネマ4Kの制作環境には、このARRIRAW Open Gateを使ってフルALEXA XTセンサーアクティブイメージエリア(=3.4K、アスペクト比1.55:1)で収録。ビューエリア(ビューファーで見えるエッジ外の範囲)まで含められ、画像のレストレーション、リサイズやスタビライゼーションするための解像度を持つことで、4K DCPへアップサンプリングしやすいという。
Open GateはALEXA XTモデルのみ対応(ALEXA ClassicでXRにアップグレードしたカメラでは不可)。ProRes 3.2KアップグレードはALEXA XRにも実装できる。
ARRIは、ALEXAを将来どのような規格が定まっても柔軟に対応できる“将来を見据えた”カメラとして進化し続けている。ちなみにALEXAとAMIRAは同じ4:3アスペクトのスーパー35(3414×2198)ALEV III CMOSセンサーを採用。ドキュメンタリー・スタイルと位置付けた2KカメラAMIRAに4K(3830×2160)ProRes内部記録モードを実装させたことからしても、ARRIが4K記録を自身のカメラの標準規格にするのは、そう遠くない話のようにみられる。ARRIのIBC2014展示スタンドはホール11のF21。
(山下香欧)