ビデオ関連の標準化団体であるVESA(ビデオエレクトロニクス規格協会)は先月19日にDisplayPort規格の更新版1.3の策定を発表した。
DisplayPort1.3では、HDCP 2.2やCECを含んだHDMI 2.0に対応。既存の仕様(DisplayPort 1.2)から大幅にアップグレード。HBR2(ハイビットレート2=5.1Gbps)からHBR3(8.1Gps)へ拡張し、帯域は32.4Gbps(8.1Gbps×4レーン)と50%拡張、8Kおよび5K(5,120×2,880、24bit)/60Hzまで可能となった。非圧縮映像の転送スループットは25.92Gbps。
更に4K(3,840×2,160)では120Hz(24bit)まで対応できるので、DisplayPortのマルチストリーム機能により、2画面の4Kディスプレイに1本のケーブルで転送できるようになる。フルHDディスプレイであれば7画面だ。
ビデオ周りだけでなく、たとえばVESAが策定したDockPortでDisplayPortとUSB3.0が同じインターフェイスで扱えるため、同じデータソースをマルチディスプレイやデバイスへ一度に転送できるようになる。
さらにシネマカメラからのRAWフォーマット、4Kの著作権保護技術や、ハイデフィニションオーディオ、8K×4Kでの採用が想定されている4:2:0の信号方式にも対応予定としておおり、DisplayPort1.3準拠検証は2015年半ばまで続けられる。DisplayPort to HDMI2.0コンバーターは2015年には市場に出てくるとVESAでは予測。
またDisplayPort1.3のHBR3や4:2:0といった新仕様に対応できるデバイスが市場に出回るのは2016年としている。
(山下香欧)