一般社団法人 日本民間放送連盟、一般社団法人 日本広告業協会、公益社団法人 日本アドバタイザーズ協会の3団体は10月28日に、「字幕付きCM普及推進協議会」を設立した。

3団体は、総務省が行ってきた「スマートテレビ時代における字幕等の在り方に関する検討会」に踏まえて、協議会の設立に向けた協議を進めてきたという。また民放連は2010年に「字幕付きCMに関するWG(現 字幕付きCMWG)」を設置して、字幕付きCMの運用に関する具体的なガイドラインの作成、トライアルを行ってきている。

設立を発表した同日には、第一回の運営員会を開き、運営委員長に塩野弥千夫・民放連CM運行検討小委員長(日本テレビ営業局長)を選出するとともに、運営規則などを決定した。

また12月には、「第1回字幕付きCMセミナー」と題して、字幕CM協議会の取り組みや、関係者が抱える課題と今後の展望などを関係者と情報共有する場を主催する。セミナー開催日は12月9日の14時より、場所は全国都市会館2階大ホールにて。参加費は無料。

字幕義務は日本の放送規定にはなく総務省が規定する放送努力義務までに留められているが、米国ではかなり綿密に字幕(クローズドキャプション)運用環境整備について進められた。テレビ番組は2008年1月までにすべての放送番組にはCCがつけられている。2010年10月に米大統領によって署名された「21世紀の通信およびビデオアクセシビリティ法」では、インターネットで配信されるテレビ番組にも放送事業者から字幕を提供するように義務づけられた。しかしCMに関しては、5分以内の尺として番組とは見なされてなく、CCは自主的につけるよう促されているのみ。

(山下香欧)