Blackmagic Designの発表によると、新作サスペンス・スリラー映画「Sympathy, Said the Shark」の主観映像の撮影に、Blackmagic Pocket Cinema Cameraが使用されたという。同作の制作総指揮を担当したのは、TVシリーズ「ゴースト・プロジェクト」のホスト/エグゼクティブプロデューサー、ザック・バガンス氏。
ロサンゼルスの制作会社、Chicken Bear Productions制作の「Sympathy, Said the Shark」は、一夜にして明らかとなった三角関係、そして命の危機に晒される3人の主人公を描くダーク・スリラー。同作品では、視聴者が各登場人物の視点を実感できるよう、主観映像(POV)が多用されている。この主観映像をキャプチャーするため、監督であり「ゴースト・プロジェクト」のエディターを長期にわたって務めるデヴィン・ローレンス氏、「Ace of Cakes」や「Here Comes Honey Boo Boo」などのリアリティーTV番組を手がけた撮影監督、マーク・ラフラー氏の両氏は、Blackmagic Pocket Cinema Cameraを中心にPOVリグを構築した。
バガンス氏:この映画では、極めて厳しい状況に陥った際の登場人物の視点を表現しています。彼らの目から見える映像を視覚的に表現するため、俳優の演出の邪魔にならず、かつ高画質の映像をキャプチャーできるPOVカメラが必要でした。さらに、各POVショットで特別な雰囲気や感情を表現できるよう、簡単にグレーディングできる映像が必要だったんです。Blackmagic Pocket Cinema Cameraは、この条件に完璧に一致しました。
同作品のショットの75%が主人公たちの主観映像であり、ローレンス氏とラフラー氏は、俳優の頭部に装着でき、各登場人物のクローズアップや個々の感覚を表現できる新しいPOVリグを構築した。ProRes HQで収録することで、収録したフッテージを簡単にポストポロダクションに持ち込むことができた。DaVinci Resolveでグレーディングやカラーコレクションが行われ、各登場人物にそれぞれ独特なカラーが適用されたという。
ローレンス氏:このPOVヘルメットは、まさに必要から生まれました。私はPOVショットをできるだけリアルなものにすることを目指し、マーク(ラフラー)はその映像を可能な限りシネマルックにすることを目指していたんです。それぞれのPOVで、腕、足、傷が見えるようにすること、さらに彼らのパフォーマンスが邪魔されないものを考えていました。
最適なカメラを探した結果、Blackmagic Pocket Cinema Cameraであれば、費用、重さ、画質という私たちの3つの条件をすべて完全に満たせることが分かったんです。Blackmagic Pocket Cinema Cameraは私の知るあらゆるDSLRより軽いんです。これは、カメラを役者のヘルメットに乗せ、5分間以上のテイクを演じる場合に非常に重要です。しかも画質は疑いようのない映画品質なので、よりフィルムに近い映像が得られます。
俳優たちがリグを装着すると、その映像を通して彼らの体験がまるで自分の体験のように感じられました。俳優たちは、目の前で揺れ動くリグだけでなく、視聴者とも共演していたんです。他のカメラではこの映像は得られません。