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株式会社フォトロンは、2014年11月19日(水)から21日(金)の期間中に千葉・幕張メッセで開催される国際放送機器展「Inter BEE 2014」に出展する(ホール4/No.4307)。同社ブースでは、4Kをキーワードに、様々なライブ、ポストプロダクション向けのシステムを紹介する。その中で今回、米アーキメディア社のリファレンスプレイヤー「Archimedia Atlas(アトラス)」の実機を初めて公開する。
Archimedia Atlasはフォトロンが7月の「プロダクションEXPO」にて紹介した「Master Player」の新バージョンだ。前世代から進化したツールを実装した三世代目として改名された。アトラスはソフトウェアベースのリファレンスプレイヤーとして、JPEG2000からSMPTE推奨のIMFやDPX、XAVC、HEVCからモバイル配信コーデックなどフォーマットの垣根を取り去り、HDMIモニターでもメディア再生ができる。
ハードウェアのメディアプレイヤーは、特化したコーデックの再生機として市場に出回っているが、アトラスはビデオ、オーディオ、字幕データを埋め込まれたメタデータを適応させて、忠実に再生できる特徴を持つ。DCP(デジタルシネマ・パッケージ)メディアも最近ではRGBプロジェクターやHDMIでのPCモニターに再生する環境にある。その場合アトラスは、XYZカラースペースをRGBに自動変換し、またディスプレイ条件に合わせてメディアサイズを変換して再生する。
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ファイルに埋め込まれたメタデータをテキストベースで抽出し保存できる
新バージョン3.0では、シンプルで定評のユーザーインターフェイスにも新しい仕様が組み込まれた。特にオーディオメータ、ビデオ波形モニター、ベクトルスコープでのチェックができるようになったことで、外部測定機材を持ち込まずに済むようになった。また新機能で3つ取り上げるとすれば、ビデオ解像度のスケーラーとインターレース再生、DCPの暗号化/鍵発行(KDM)の対応だろう。
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解像度をダウンスケール、アップスケールできることでHDMI/SDIモニター側の環境に合わせて入力メディアファイルの解像度を変換することができる。HDMI側のモニターでは操作画面とプレビュー画面を、そしてDisplay PortやSDI経由で4K60pの再生を行うこともできる。
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時間表示についてもテープタイムコード(TCR)、コントロールタイムコード(CTC)、時間(TIME)とフレーム(FRAME)に加えてタイムコードでの検索、MXFマテリアルパッケージ、MXFソースパッケージ、エッセンストラックといった、メディアファイル内に埋め込まれたタイムコードトラックで表示させることができるようになった。また字幕データは既に50以上に対応できているが、日本のARIB準拠の字幕データにも近い将来対応できる見込み。
(山下香欧)
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