フランスのスタートアップakousticartsによる指向性スピーカー「A」は、個人向けのレーザーサウンドスピーカー。CES2015で米国初デビューを飾った。
Aのサイズは:幅200mm×高さ200mm×奥行22mm。ブースには展示がされていなかったが、「A Nude」という幅のないベア状のモデルもあるようだ
オーディオコンテンツ(1kHz)を直径50cmから150cmのコーンビームとして、狭い範囲に流す。音のシャワーを浴びるような恰好だ。このビーム範囲から出ればサウンドが聴こえないため、リビングルームに家族がそろっていても、個別に自分だけのサウンドを楽しめる。ヘッドフォンやイヤーフォンをつけないため、没頭感には欠けるかもしれないが耳にはずっと優しいはずだ。また車内のスピーカーとして使用すれば、GPSのナビゲーションをドライバーだけに聞こえるようにすることもできる。
もちろん個人ユースだけでなく、狭いオーディオショップでのサウンドスケープをいくつも作ることができるだろうし、美術館での各美術作品の解説や、目の不自由な方へのガイドとしても公共で利用できる。実際に昨年の春の仏パリ交通公団の入札で、パリのRATPバスの各停留所に取り付けられることが決まったそうだ。
Aはスピーカーというよりも一枚のパネルになっており、天井、角度を変えられる壁掛け、そして連結させられるマウントキットが揃う。音声の入力にプラグボックスをAパネルの背後に設置する。プラグボックスにはミニジャック(2.5mm)やWi-Fiモデルがあり、スマートフォンやPC、サウンドシステムから無線でオーディオデータをAに送ることができる。
(山下香欧)