キヤノンは、同社のデジタルシネマカメラ「EOS C300」の後継機種として「EOS C300 Mark II」を2015年9月上旬より発売する。希望小売価格はオープン、市場想定価格は税抜180万円前後。なお、従来モデルのEOS C300 PL/AFは受注生産扱いとなる。
EOS C300 Mark IIは、新開発の有効画素数約885万画素・スーパー35mm相当のCMOSセンサーと、新開発の映像処理プラットフォームのデュアルDIGIC DV 5により、4096×2160と3840×2160での4K映像と、2K映像(2048×1080)およびフルHD映像(1920×1080)の撮影が可能。最大ISO感度は102400(感度拡張時)。同社独自のガンマ「Canon Log 2」や新しいビデオフォーマットXF-AVCに対応しており、より広いダイナミックレンジを実現。従来機種で12ストップであった再現域が本製品では15ストップまで拡大したという。XF-AVCでの記録では、コーデックがMPEG-4 AVC/H.264、4K/2K/フルHD映像データをCFastカード、SDカードに記録可能(SDカードは2K/フルHDのみ)。ファイルフォーマットはMXF。
デュアルピクセルCMOS AF技術により、EFレンズでの撮影時に撮像画面の縦横それぞれ約80%の広い測距エリア内の被写体に、自動でピントを合わせ続けるコンティニュアスAFや、コンティニュアスAFを行いながらの顔検出AFが可能。AF速度は10段階で調整可能だ。EFレンズでのマニュアルフォーカス時にピント合わせをサポートするデュアルピクセルフォーカスガイド機能を搭載しており、合焦・非合焦情報だけでなく、ピント位置が被写体に対し手前にあるか、奥にあるかも表示可能。
本体背面にCFastカードスロットを2基搭載
本体前面にSDカードスロットを搭載
同社独自の色域Cinema GamutやITU-R BT.2020の色域での撮影が可能。2K記録では、RGB4:4:4(12bit)記録を採用。CFast 2.0カード2枚とSDカード1枚への同時記録機能を搭載しており、異なる色域やガンマを設定した映像を同時に記録可能。また、29.97pまでの4K RAWデータ出力が可能なため、3G-SDI端子を介して外部レコーダーにデータ記録が行える。なお、XF-AVCに対応するためのPC用ソフトウェア「Canon XF Utility 2.1 for XF-AVC」と4K Cinema RAWの現像ソフトウェア「Cinema RAW Development 1.4」は無償で提供予定だ。
REC/STOPボタンが赤色になった
着脱式の4型液晶モニターを標準装備。バックライトを改善することで、従来機種より色域や輝度を拡大。従来機種からボタン配置を見直し、RECボタンなどの使用頻度の高い操作ボタンを本体右側に集約することで操作性を向上しているという。また同社の業務用カメラ専用リモートコントローラー「RC-V100」にも対応している。
着脱式の4型液晶モニター
なお、EOS C300 Mark IIは標準でEFマウントを採用しているが、ロック付きEFマウントやPLマウントへ有償で交換も可能。マウント交換は同社修理受付窓口にて行う。ロック付きEFマウント、PLマウントの価格、マウント交換料金などは未定。
ハンドル部分はがたつきや抜け落ち等のトラブルを防止するため、取付強度が向上している