Blackmagic Designの発表によると、BBC Oneの新テレビドラマシリーズ「Poldark」の合成にFusion Studio 7が使用されているという。「Poldark」の制作はMammoth Screen、壮大なセットエクステンションや3DマットペイントなどのビジュアルエフェクトはLexhag Ltdが担当している。

ウィンストン・グレアム著「Poldark」の最初の2作を原作とする同ドラマは、全8シリーズ構成。脚本はデビー・ホースフィールド氏、監督はエドワード・バザルゲット氏およびウィル・マクレガー氏が担当。同シリーズのビジュアルエフェクト(VFX)を監督したのは、アレクシス・ハガー氏。アレクシス・ハガー氏はプリプロダクションの過程から制作に加わり、同シリーズのプロダクション・デザイナーであるカーティン・メーディッド氏、2人の監督およびそれぞれの撮影監督と協力して作業を行った。

18世紀の鉱山の景観を作り上げることは、膨大なタスクだったという。鉱山の外観のショットは、今でも当時の名残をとどめるイギリスのコーンウォール周辺ですべて撮影されたとハガー氏は話す。Lexhagは、18世紀はじめに建設されたグランブラー鉱山の1枚の重要な参照画像をもとに、運営中の鉱山の様子を再現した。ハガー氏のチームはロケーションの映像をデジタルスキャンし、3DおよびFusionでエレメントの構造、位置、照明などを作り上げた。

ハガー氏:すべての大規模なセットエクステンションは、LIDARスキャンから始まりました。ロス・ポルダークのいるウィールレジャー鉱山の景観は、アート部がコーニッシュ海岸に現存する鉱山のイメージを使用して低い部分を作成し、私たちは屋根の構造や窓など、高い部分を担当しました。丘の傾斜に位置する大規模なグランブラー鉱山は、Fusionで合成したデジタルマットペイントと3Dエレメントで構成されています。

ビジュアルエフェクト・アーティストのケン・ターナー氏は次のようにコメントしている。

ターナー氏:すべての3DエレメントはEXRファイルでレンダリングされ、リライトとグレーディングのためにFusionに取り込まれました。EXRファイルには複数のレンダーやすべての個別エレメント用マスクを含められるので、Fusionでインタラクティブな調整を行う際に多くのコントロールが得られます。スチルフレームが完成品に近づいたら、Photoshopに取り込んで最終ペイントを行い、汚れを落としてクリーンなCGエッジを作成しました。その後Fusionに戻し、人間や煙、グレイン、レンズ収差を追加しました。さらに多くの微調整も加えて、スチルマットペイントに命を吹き込みました。

ハガー氏:Fusionは、スピーディで柔軟です。さらに素晴らしい3D作業空間で作業ができます。最近は、この3D空間で行う合成作業の量が増えています。つまり、多くの問題を3D空間で解決できるんです。スピードは、私たちにとって鍵となる要素です。以前は、合成作業を行いながらクリエイティビティを保つのは簡単ではなく、エレメントのレンダリングや再生を待つのは非常にもどかしい作業でした。Fusionはそれら両方で最高の能力を発揮し、スピーディな合成や高精度のグラフィックデザインを完璧なクオリティで実現してくれます。

「Poldark」はBBC Oneにて現在放送中。2015年後半には米国やオーストラリアでも放送予定だ。