ソニーピーシーエル株式会社(ソニーPCL)は、現行の4Kポスト編集室「208 Pablo Rio 4K/3D Editing Room」の中核システムであるQuantel社製「Pablo Rio 4K」を「Pablo Rio 8K」にアップグレードし、8月下旬から運用を開始すると発表した。
Pablo Rio 8Kは、8K/60pまでのカラーグレーディング・編集、リアルタイムでのプレビューが可能なシステム。4K映像制作の効率向上も期待でき、8Kキャンバスの広さの有効に8K×2K、8K×1といった4K以上の解像度且つアスペクトフリーの映像表現を叶える制作環境が実現するという。Quantel社曰く、Pablo Rio 8KはNHKから技術協力を得て開発された。8系統の3Gインターフェイスをシングルカードで持つAJA社製のCorvid 88マルチチャンネルI/Oにより、5GB/秒という高速データ転送が実現する。ストレージはRAID 60×3構成のEBODで、8K60pの映像データを160分ほど格納できるという。
ソニーPCLは併せて、206編集室の「iQ Pablo」もハイフレームレート対応のシステム「Pablo Rio 4K HFR」へ更新する。コントロールパネルをNeo Nanoから大型Neoに替え、カラーグレーディング、4K/60pのリアルタイムプレビューが可能になる。CineAlta Premium 4Kカメラ「F65」/CineAlta 4Kカメラ「PMW-F55」のRAWデータ素材や、XAVC素材をネイティブに取り扱える。更に301編集室の3D VFXシステムのAutodesk社製「Flame Premium」のシステム環境を4K/60pのリアルタイムプレビュー対応できるよう7月下旬にプラットフォームをバージョンアップする予定。
ソニーPCLが、国内初の3D/4K対応として208編集室に「iQ Pablo 4K」を導入・運用開始したのは2009年。当時も4K対応モニターを揃えて忠実な映像の確認ができる環境を整えるのが難しかったとみられるが、今回の8K編集環境に備えての8Kモニターについては、同社から開示されていない。
(山下香欧)