Blackmagic Designの発表によると、ディスカバリーチャンネルの人気番組「MythBusters」で、撮影監督のスコット・ソレンセン氏がBlackmagic Pocket Cinema Cameraを使用し、同番組のBロール、コールドオープン、新しいオープニングタイトルのシーケンスを撮影したという。また、ソレンセン氏はMultiView 16、SmartViewモニター、多数のMini Converter Analog to SDIを使用して、離れた場所からBlackmagic Pocket Cinema Cameraをワイヤレスでモニタリング/コントロールした。
今作でシーズン14となる「MythBusters」は、迷信や都市伝説の真相を求めて様々なテストを行い、どれが本当でどれが嘘なのかを証明する番組。迷信のいくつかは同番組が制作されるサンフランシスコのスタジオで撮影/解決される一方、他の迷信や都市伝説のテストでは、巨大な爆発、撮影現場への移動、レース場を走る車、サメと一緒に泳ぐシーンなどの撮影が求められる。
ソレンセン氏:撮影前には必ずできるだけの準備をしますが、実験で実際に何が起こるかを正確に予測することはできません。補助的なカメラが非常に大切な理由はここにあります。Pocket Cinema Cameraを使用して、できるだけ多くの角度から撮影しました。アクションのあらゆる側面を逃さないためです。
より良い画質でBロールを撮影することがPocket Cinema Cameraを使う元々の理由であったが、使用してすぐにチームのメンバーは、カメラのコーデック、サイズ、柔軟性、汎用性も大きな利点であることが分かったという。
ソレンセン氏:Bロールとオープニングの映像もできるだけ良い画質にしたいと考えていました。Pocket Cinema Cameraのシネマルックと被写界深度は本当にすばらしいですね。撮影やポスプロのメンバーも、オープンファイルフォーマットが大好きです。ワークフロー全体がスピードアップしますからね。慣れないファイルフォーマットやテープを使うと、かなりの時間が無駄になる場合があります。
現在、Pocket Cinema Cameraは迷信というテーマに応じて、ケージ、特注の耐爆ハウジング、水中ハウジングなどに入れられ、毎日のように使用されている。またソレンセン氏は、Bower 7.5mm MFTレンズ、Panasonic LUMIX G VARIO 14-140mmレンズ、Metabones Speed Booster、Nikon Fマウントレンズを使用している。
大きな爆発などが必要な場合は、MultiVew 16、SmartViewモニター、Mini Converter、LANCベースのワイヤレスコントロールシステムを使用して、Pocket Cinema Cameraはワイヤレスにモニタリング/コントロールされる。
ソレンセン氏:何年もの間、私たちはカメラの収録を開始しては、安全のためにカメラから離れるという作業を繰り返してきました。それが今は、爆薬に近づくことなく、Bロールカメラのワイヤレスコマンドセンターから安全に操作を行えるようになったんです。
撮影現場に到着すると、私たちはすぐにカメラを開梱し、タイムラプスモードにして、CスタンドとKessler CineDriveに取り付けます。実験に必要な機能がすべて搭載されたカメラで、かつ優れたタイムラプス映像を撮れることは私たちにとって非常に大きいですよ。実験の準備が整ったら、Pocket Cinema Cameraのコンパクトなデザインがその価値を発揮します。必要に応じてどこにでもセットアップできるからです。ダッシュボードや風よけへの設置は1分でできますよ。狭い場所に置く場合はガムテープや粘着剤を使います。実験の種類は様々なので、カメラの柔軟性が高いのも助かりますね。
またソレンセン氏は、Pocket Cinema Cameraは汎用性が高く、様々な目的に応じたリグ組みが可能だとしている。
ソレンセン氏:ショルダーリグで使用することも多いんですが、多くのオーディオ機材を乗せてもまだ小さく、軽いですよ。エピソード「Shark Week」で水中の激しいシーンを撮ったときも、Pocket Cinema Cameraは大活躍でしたね。
ソレンセン氏は、過去に小型カメラを使って行った水中撮影ではあまり良い経験がなかったと説明する。操作不能になってしまう場合もあり、撮影している内容を確認するのも困難だったという。さらに再生を押す以外に設定を変更したり他の操作を行ったりするのは難しく、カメラを水上に持ち上げる必要があった。
ソレンセン氏:エピソード「Shark Week」の撮影では、3台のPocket Cinema CameraをIkelite社製の水中ハウジングに取り付けました。すべて完璧に進みましたよ。カメラが水中にあってもあらゆる機能や設定にアクセスできました。カメラをサメに壊されたり、海に沈んで無くしてしまったりすることもありませんでしたね。