からだから離すことがなくなったモバイルフォン環境に新しいツールが加わった。モバイルフォンで撮ってSNSで共有しても、なかなか従来のようにプリントするまで行き届かない。発音的にも“プリント”に近い「Prynt」ケースは、iOS/Androidスマートフォンを包むケース形のプリンターだ。スマートフォンをポラロイドカメラに変えるツールといってもいい。

Pryntケースにスマートフォンを取り付けて動画や静止画を撮り、そのまま印刷できる。ケースはスマートフォンのマイクロUSB/Lightningコネクタ経由で接続するため、Wi-Fiコネクションは必要なくオフラインで使える。ケースの上部にはシャッターボタンがついており、このボタンを押すか、アプリから画像を撮るようになっている。

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Pryntで撮る静止画は、実際には前後10秒ほどの動画として保存されている。この特徴を使い、印刷した静止画をモバイルフォンにかざしてスキャンすると、動画として観ることができる機能がついている。また印刷の際には動画から1コマを選んで印刷することも可能だ。

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AR機能

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動画から1コマを取り出して印刷ができる

印刷されるまでは30秒ほどで、紙への印刷にはインクを必要としないZink技術を採用。印刷解像度は313×399dpiで、インクジェットプリンターと違ってのりしろ無し(ふちなし)で印刷できる。印刷用紙のサイズは5.08cm×7.62cm(2inch×3inch)。印刷用紙は10枚ほど一度にフォルダーに収まるようだ。ケース自身も電源が必要で、USB経由で充電を行うようになっている。バッテリー持続時間は印刷20枚程度で、充電時間は90分。

現在サポートできるスマートフォンは、iPhone 5/5s/5c/6とSamsung Galaxy S4/S5で、今後はiPhone 6 PlusとGalaxy Noteにも対応できる範疇にある。Pryntボディの色は黒、白、青、ピンクの4色が揃っている。本体のサイズはプロトタイプのもので約80mm×128mm×30mm、重量は約225g。

キックスターターで資金調達をした際には、先行予約注文が9,000台以上になり、集めた資金は2億円近くとなった。初期注文は8月に出荷が始まるはずだったが、最新情報では量産時間がかかっているようで、現在の予定では11月のショッピングシーズンまで待たなければならないようだ。本体の価格は10枚の印刷用紙がついて149ドルで、印刷用紙は50枚で25ドル、100枚で50ドルのパックで販売している。

(山下香欧)