ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の仮想現実(VR)システムの正式名が「PlayStation VR」に決まったことが、「東京ゲームショウ2015」開催前の記者会見で発表された。専用のヘッドマウントディスプレイ(HMD)と対応ソフトウェアで没入感のある世界を体験できる。
「PlayStation VR」のロゴ
9月17日~20日の4日間、幕張メッセにて開催されている「東京ゲームショウ2015」のソニーブースでは、対応する10つのゲームタイトル(デモ版)で体験できるコーナーが設けられている。
昨年、プロジェクトコード名Morpheus(Project Morpheus、モーフィアス)として発表され、初めてPlayStationと一緒にシステムとして公の場所に出てきたのは、昨年の米サンフランシスコにて恒例に開かれているゲームカンファレンス「GDC」だった。今年の米ゲームショーE3では、複数人同時プレイが可能なマルチプレイヤーモードが使えるゲーム「RIGS」など対応するゲームタイトルや開発アップデートが発表されて話題となった。
PlayStation VRは、DUALSHOCK 4やPlayStation Moveを使ってゲーム操作を行うこともできる。HMDのディスプレイは5.7インチ有機ELパネルを採用。解像度はフルHD(1920×1080)で、RGBサブピクセルでスムーズな映像を表示できる。視野角は約100度で、応答速度は18ms以下。リフレッシュレートはOculus RiftやHTC Viveの90Hzに対して120/90Hzになる。
加速度センサーとジャイロセンサーを搭載しており、PlayStation Cameraを使ってモーショントラッキングを行う。HMDにヘッドトラッキング用のLEDを9つ備え、カメラとの間で1000回/秒の頻度でモーショントラッキングを行うことで、振り向いて背後をみたり、見上げれば動きに応じた3D映像が広がり、途切れのないシームレスな体験が行える。オーディオについては独自の3Dオーディオ技術を採用し、プレイヤーの頭部の動きに従って左右のほか、たとえば上空を飛んでいくヘリの音などが再現できるようになっている。
HMDのインターフェイスには別ボックスが用意され、そのボックスからUSB/HDMI経由でPS4ゲーム機と接続するようになっている。ボックスに装備されているHDMI出力で別ディスプレイにゲームユーザーが体験しているスクリーンを表示させることができる。
発売時期に関しては、対応するゲームタイトルと共に2016年前半と言われている。Oculus RiftやHTC Viveなどのヘッドマウントディスプレイ製品の発売時期や加速する市場の展開スピードにもよるが、来年3月に開催されるGDCで出荷開始の発表があるのかもしれない。
SPEはまた、10月1日からPlayStation 4の定価を5,000円下げて34,980円にすることも同日に発表している。
(山下香欧)