仮想現実(VR)コンテンツ生成の環境を開発するJauntは、シリーズC資金調達ラウンドでウォルト・ディズニー・カンパニーから6,500万ドル(約78億円)の出資を受けることになった。Jauntは自社開発の没入型VR向けの360度カメラでVRコンテンツを生成できるシステムを持つ。8月にはハリウッドにライブVRまで行うVR専門プロダクションスタジオをオープンし、ハリウッドプロダクションへワンパスの制作パイプラインを提供する。
ディズニーに並び、資銀行のエボリューションメディアキャピタルとチャイナメディアキャピタルも同ラウンドにて参画しており、Jauntが今回のラウンドで調達した総額は1億ドルを超える。
Jauntがみている市場は映画、広告、エンターテインメント分野で、ライブコンサートやスポーツイベントなどに合うシネマチックなVRを引き続き、各方面の市場で広げていきたいとしている。
今回のディズニーの投資のタイミングとは直接的には結び付かないが、ディズニー傘下である米ABCが17日からJauntの技術を実装したABC VRニュースを開始している。
シリアのダマスカスを探索、戦争により破壊されつつある歴史的遺物を保護する考古学者たちの活動をレポート
2016年にはOculus RiftやHTC Viveといった消費者向けのVRデバイスが広まり、必然的に対応VRコンテンツの拡大も見込まれる。今回におけるディズニーの投資目的が長編映画への実装とは考えにくいが、ABCのVRニュースに然り、傘下のVFXスタジオILM内にあるVRとARの研究部門“ILM Experience Lab(ILM×LAB)”とのコラボレーションや、テーマパークのアトラクションまで、ディズニーの保有する様々な事業活動の促進に活躍できるだろう。
(山下香欧)