© 2015 LittleBig Pictures. ALL RIGHTS RESERVED
Blackmagic Designの発表によると、韓国のミステリー映画「Madonna」のカラーグレーディングにDaVinci Resolve Studioが使用されているという。カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクションの「ある視点」部門でプレミア上映された同作品は、ソウルを拠点とするKT&G Sangsangmadangのエリジオ・キム氏がグレーディングを担当した。
シン・スウォン監督・脚本作品「Madonna(マドンナ)」の主人公は、ソ・ヨンヒ演じる准看護師、ムン・へリム。キム・ヨンミン演じる病院主任キム・サンウの父は、まひ状態にあった。そこで彼は、「マドンナ」と呼ばれる脳死状態の少女の心臓を自身の父に移植するため、少女の親族を見つけ出し、心臓の移植を承諾させるという取引をムンに提示する。「マドンナ」こと脳死状態の少女を演じたのは、クァン・ソヒョン。しかしムンは調査を進めて行く中で、マドンナの悲惨な過去を知ってしまうというストーリー。
死の雰囲気に満ちたイメージを作り上げたいというシン監督の意図のもと、ストーリーはほぼ病棟の中で展開する。この「死」のルックを表現するため、キム氏はDaVinci Resolveで低コントラストのイメージを作り上げた。しかしシン監督は、登場人物の顔が少し暗すぎると感じたという。
キム氏:低コントラストのイメージを作った時、顔がオリジナルイメージより暗くなってしまい、表情が見えにくくなってしまいました。大変な作業になるかもしれないと思いました。顔だけを明るくするには、膨大なトラッキング作業が必要だからです。しかし幸運にも、DaVinci Resolveのトラッキング機能のおかげで、ほぼすべてのショットで顔を正確に自動トラッキングできました。本当に時間が節約できましたね。
「Madonna」は低予算で撮影されていたため、撮影監督は短納期のプロダクション用にデザインされた高コントラストのガンマカーブを選択していた。
キム氏:最初の編集は簡単でしたが、代わりにカラーグレーディングでの柔軟性には欠けていました。最終的なカラーグレーディングで高いクリエイティビティを得るために、私たちは高コントラストカーブをフラットなカーブと置き換え、フッテージにDaVinci ResolveのLUTを適用することにしました。
フッテージのガンマ変更は、適切な手順で行わないと多くの時間を費やす作業になる可能性があります。場合によってはガンマスペースだけでなく他のメタデータにも影響を与えてしまい、各ショットで追加のカラーコレクションが必要になってしまうからです。
DaVinci Resolveが幅広いフォーマットに対応していること、さらにフッテージのメタデータをファイルに保存できることを知っていたので、ログカーブを選択するだけで、他のメタデータには一切影響を与えずにガンマスペースを変更できました。シンプルで簡単でしたね。
© 2015 LittleBig Pictures. ALL RIGHTS RESERVED
オリジナル(コントラストの強いガンマ)
© 2015 LittleBig Pictures. ALL RIGHTS RESERVED
LUTをあてた状態
© 2015 LittleBig Pictures. ALL RIGHTS RESERVED
グレーディング済み