Blackmagic Designの発表によると、テキサス州オースティンを拠点とするコンサートフィルム・テクノロジー会社TourGigsが、カリフォルニア州エンシニータスのムーンライトビーチで開催された「Switchfoot Bro-Am」のライブ制作/ライブストリーミングに、ATEM 1 M/E Production Studio 4KスイッチャーなどのBlackmagic Design製品が使用されたという。TourGigsは同イベントの映像制作にあたって、近隣のカールスバッド高校で放送ジャーナリズムを勉強する学生たちと共同作業を行った。イベントには約20,000人の観衆が集まり、ストリーミング映像の視聴者は75,000人以上にのぼった。
Bro-Amは、グラミー賞も受賞した米国のオルタナティブ・ロックバンド、Swichfootがオーガナイザーを務める基金募集イベント。集まった基金は彼らの地元であるサンディエゴの地域社会に還元され、ホームレスの子供たちへの支援などに当てられる。本年のイベントでは、サーファーであるロブ・マチャドやダミアン・ホブグッドらも参加したサーフィン大会や、Switchfootがトリを飾ったビーチライブなどが催された。2005年に始まった同イベントは、サンディエゴの子供たちのためにすでに計100万ドル以上の基金を募っている。
TourGigsは、同イベントの衛生通信テクノロジーを担当したViaSatと連携し、カールスバッド高校の学生たちに、必要なすべてのAVテクノロジーや知識を提供した。彼らは高校生による放送番組のランキングにおいて、全米No.1に位置付けられている。専門家たちのアドバイスを受けた学生たちはカメラを操作し、ライブスイッチングを行い、さらにはタレントとしてオンエアのパフォーマンスも担当した。
TourGigsは2台のATEM 1 M/E Production Studio 4Kスイッチャーをセットアップした。1台はサーフィン大会エリア、もう1台はコンサート会場だ。それぞれのスイッチャーには、5台のカメラからの映像、ドローンからのフィード、コンピューターからのグラフィックのHDMIフィードが送信された。カメラの1台はワイヤレスで接続され、他の4台はATEM Camera ConverterまたはMini Converter HDMI to SDIを経由してスイッチャーに接続された。また制作チームは、HyperDeck Studio SSDレコーダーを使用して映像収録を行った。
ATEMから送信されるプログラムフィードは、Blackmagic Design DeckLink SDI 4Kキャプチャー・再生カードを組み込んだTourGigsのカスタムエンコーダーで1920×1080、23.98pビデオにエンコードされた。さらに制作チームは、ViaSatが用意したサテライトIPを使用して、エンコードしたビデオを最大9Mbpsの速度でwww.broam.orgおよびwww.surfline.comに送信した。
TourGigsの共同創設者でありパートナーでもあるジェイク・サクスビー氏は、次のようにコメントしている。
サクスビー氏:ATEMをはじめ、使用したすべてのBlackmagic Design製品は、必要なあらゆる作業を完璧にこなしてくれました。学生たちが作り上げたクオリティーは、私たちがTourGigsで制作するものと変わりませんよ。
しかも、今回使用したBlackmagic Design製品のいくつかは、彼らにとって初めてのものでした。Blackmagic Designの使用がどれだけ簡単かが分かりますね。また、メイン電源には接続せず、すべて発電機から給電しました。このような環境での制作におけるBlackmagic Design製品の携帯性や順応性の高さが、見事に発揮されたと思います。