スカパーJSATは、InterBEE2015会期にあわせて2015年11月18日から20日までの3日間、4K HDR映像の伝送を実施する。受信映像はInterBEE2015の会場の協力先メーカー社展示ブースにて観ることができる。

今回の実験方法は、スカパー東京メディアセンター(TMC)から既存の4Kチャンネル用の設備を利用して通信衛星「JCSAT-3A(東経128°)」に向けてアップリンクし、会場で受信する。伝送する映像は、スカパーJSATが収録を行った各種のHDR映像に加え、TMC内のスタジオからの中継を用いる。受信側は会場の協力メーカーの出展ブースに設置されるHDR対応ディスプレイにて再現する。

加えて、今回の実験はARIBで標準化されたHybrid Log-gamma(HLG)を使って行われることも新しい試みである。HLGはNHKとBBCが開発した方式で、Ultra Blu-rayで対応できるHDR記録の基準HDR10方式とは異なり下方互換性を持ち、HDR非対応ディスプレイと対応ディスプレイが混在する視聴者側の環境で4K放送を行うのに適する方式として注目されている。来年に始まるBSを利用した4K放送実験においてHDR対応へと一歩進めるには、このHLGは欠かせないと言える。

■伝送で使用されるHDR対応機材
  • 撮影機材:PMW-F55(ソニー社製)
  • HDR信号出力:S-Log→HLG1.2変換器
  • HDR波形確認:WM-3206/HDR(アストロデザイン社製)
  • HDR編集:SGO MISTIKA(西SGO社製)

(山下香欧)