株式会社日立国際電気は、2015年11月18日(水)から20日(金)の期間中に千葉・幕張メッセで開催される国際放送機器展「Inter BEE 2015」において、放送用最新カメラとFPU装置を中心に展示を行う(ホール3/No.3407)。放送用カメラには従来の2/3型B4マウントレンズが使用できる4K対応カメラから、今春のNABで参考展示したNHKとの共同開発による単板式8Kカメラシステム、移動中継の現場で最適な運用性と高い伝送品質を実現する新周波数帯FPU装置を紹介する。

今回放送用8Kカメラ「SK-UHD8060B」は、光システムの実機展示と収録ユニットとの組み合わせた実稼働できるシステムで紹介する。同社は池上通信機社と同じくNHKと共同で放送用8Kカメラを革新続けている。センサーはNHKから支給された単版のスーパー35mmのCMOSセンサーを搭載。初代目から大幅な小型化、そして光伝送や収録用ユニットの開発により、さまざまな運用形態が可能になった。

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放送用8Kカメラ「SK-UHD8060B」

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収録用SSDユニット(NAB2015での参考展示)

放送用ポータブル4Kカメラ「SK-UHD4000」は、2/3型MOSセンサーを採用し、独自開発のデュアルグリーン4板式RGBにより、4K 35mmの単板カメラと同等の性能を持った、実効880万画素でS/N比62dBの低ノイズ、広ダイナミックレンジを有した製品となっている。レンズ変換アダプタが不要なため感度の低下がなく、標準感度F8(2000lx)を実現する。

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放送用ポータブル4Kカメラ「SK-UHD4000」

従来のHD放送カメラで使用されている2/3型B4マウントレンズがそのまま使用できるのが大きな特長。レンズの有効活用に加え、既存の放送カメラの操作性と運用性を踏襲した4K映像の撮影を可能にする。特に、スポーツ中継現場で問題となる感度と被写界深度の課題を解決し、今後増える4K映像での番組制作を容易にする。

フォーカスを動かした時のみビューファインダーの映像を拡大表示することができるドットバイドット表示、レンズ収差補正(RLAC)機能などを特長に持つ。

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色収差補正対応レンズを使用することで、映像信号処理によりレンズの倍率色収差を軽減できる

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標準ガンマのほかに7種類のウルトラガンマを搭載しており、さまざまな番組制作に最適なガンマカーブを提供

HDTV小型ボックスカメラ「DK-H200」は、SK-HD1200のボックス版の新HDカメラ。重量は1.5kg。最新のMOSセンサーを採用し、高感度、高S/Nを実現。カメラ本体より、720p、1080i、1080pのマルチフォーマット出力が可能で、2系統のSM型光ケーブル経由で3Gbps 3G-SDIデータを最長3Kmまでの長距離伝送ができる。

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HDTV小型ボックスカメラ「DK-H200」

「SK-HD1300」はスタジオおよびフィールドプロダクション用HDカメラ。新2/3インチのMOSセンサー、プログレッシブスキャン3版式RGBを採用。高感度F10(2000lx)、高S/N 60dBを持つ。サイズは幅133mm×高さ191mm×奥行262mm、カメラヘッドの重量は2.2kg。

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スタジオおよびフィールドプロダクション用HDカメラ「SK-HD1300」

フィールドにおけるスポーツやニュース現場、また、いろいろなイベントの映像・音声を中継伝送するFPU装置「FR-ZU200」も運用形態で実機展示を行う。本装置は、SISOのみならずMIMOを使っている点が大きな特長。1.GHz、2.3GHz帯のデュアルバンド対応。オプションでデュアルデコーダを内蔵することが可能。SISO/デュアルSISO受信/ダイバーシティ/MIMOといった多彩なモードに対応する。

(山下香欧)