ブラックマジックデザイン株式会社は、同社製品を使用しているクリエイターによる活用事例紹介のトークショー「Blackmagic Creators Show Vol.2」を2015年12月4日に六本木ヒルズ森タワー29階にあるYouTube Space Tokyoにて開催した。本トークショーでは、Blackmagic Cameraを使った事例や、同社製品で構成されたライブストリーミング配信システムをどのように仕事で活用しているかなどを紹介した。
Rock Star Hotel 浅沼拓歩氏
大阪府・大阪市内にある音楽人が集うコンセプトホテル「rock star hotel」にて開催される、ダンスミュージックパーティーなどのライブストリーミングを行う浅沼拓歩氏は、ライブストリーミング配信システムにBlackmagic Studio Camera 4K、ATEM Production Studio 4K、HyperDeck Studio Proなどを使用している。
浅沼氏は「ホテルという所に対して、テレビでも使用できるような中継用のストリーミングシステムを常設しているのはとても珍しいコンセプトだと思います」とコメント。浅沼氏が行うストリーミングは「誰もが使える放送局」をテーマにしており、ライブストリーミングのレクチャー、カメラワーク、スイッチングオペレーション、カラーコレクション・ソフトウェアの操作を1時間で習得可能な構成となっている。
フォトグラファーの板垣大人氏(左)と三戸建秀氏(右)
フォトグラファーの三戸建秀氏と板垣大人氏は、写真家の視点からブラックマジックデザインのカメラを使用した動画撮影へのこだわりを語った。ヌードなどの撮影で重要なスキントーンを表現するためには、カメラのダイナミックレンジが重要で、今回は動画撮影で行うことができたという。
「スチルカメラは色にはすごくこだわって撮影するのですが、デジタル一眼カメラでの動画撮影だとそれができないことが不満でしたが、ブラックマジックデザインのカメラのRAWデータで撮影可能になりすごくよかったです」と三戸氏はコメント。
「フォトグラファーにとって動画撮影は色作りができないことや、編集ソフト、カラーグレーディングとは何だろう、という点で敷居が高かったのですが、ブラックマジックデザインのカメラはフォトグラファーが現像できるCinemaDNGというフォーマットの連番で撮影可能なため、現像ツールのLight Roomに連番で読み込んで、写真と同じように色作りをし、また連番で書き出してDaVinci Resolveで取り込み、さらに微妙な色合わせや調整をDaVinci Resolveで追い込んでいくという色作りができるので、今までソフトを使ったことのないフォトグラファーでも導入しやすいと思います」と板垣氏はコメントした。
仲雷太氏
PRONEWSでもおなじみの仲雷太(raitank)氏は、先日MBS「情熱大陸」でも取り上げられた「風船宇宙プロジェクト」の話を中心に、ブラックマジックデザインのカメラを使用した事例について動画を交えながら紹介した。
現在、ブラックマジックデザインのカメラを5台所有しているという仲氏がブラックマジックデザインのカメラにハマった理由として「当時、映像はHD以上で撮影できるものがなく、トリミングや画角を変えることは劣化につながるため撮ったまま使うしかなかった時に、Blackmagic Cinema Cameraが登場し、2.5Kで撮影可能で、その中からフルHDを切り出すことができることがすごく使い勝手がよかったです。また、写真の世界では当たり前だったRAWの現像が動画で、REDのような1台300~400万円などの高いカメラではなく、30万円ほどのカメラで行え、かつDaVinci Resolveのフルバージョンが無料でついてくるというのはすごく革命的な話でした」とコメントしていた。
昨年仲氏が参加した、気象観測用の風船にカメラをつけて装着する「風船宇宙プロジェクト」では、軽くてダイナミックレンジで撮れるという点でBlackmagic Pocket Cinema Cameraを選んだ。打ち上げに1時間30分、落ちてくるのに30分はかかるため、29分59秒で電源が落ちる仕様になっている日本製のビデオカメラでは撮影が行えなかったのもBlackmagic Pocket Cinema Cameraを選んだ理由のひとつだと話していた。
また、今年開催された「ミラノ万博」にて、アーティスト石浦克氏が壁画を描く様子を収めたミニ・ドキュメンタリー制作には、Blackmagic Pocket Cinema CameraとNebula 4000の組み合わせて撮影を行った。
会場ではブラックマジックデザイン社製品を使用した配信や展示も行われた