富士フイルムは、Xシリーズ最高峰となるレンズ交換式プレミアムミラーレスカメラ「FUJIFILM X-Pro2」を2016年2月18日より発売する。希望小売価格はオープンだが、市場想定価格は税抜19万~21万円前後。
X-Pro2は、新開発のAPS-Cサイズセンサー「X-Trans CMOS III」を初めて採用し、現行のX-Pro1の1.5倍の有効画素数2,430万画素を持つ。併せて現行のXシリーズモデルで採用している画像処理エンジンの4倍の処理速度をもつ「X-Processor Pro」を搭載したことで、あらゆる性能の向上および高速化を実現させている。
幅140.5mm×高さ82.8mm×奥行45.9mm、重量約495g(付属バッテリー、メモリーカード含む)
レンズはFUJIFILM Xマウント式。感度はISO200~12800(1/3段ステップ)。拡張設定はISO100/25600/51200。最速1/8000秒のフォーカルプレーンシャッターに加え、静音性に優れる最速1/32000秒の超高速電子シャッターも搭載している。位相差AFの高精度化と動体予測アルゴリズムの改良により、最速約8fpsの高速追従連写が可能になった。
位相差画素の配置エリアを拡大させて、位相差AFがより広い範囲で使えるようになった。またさらなるノイズ低減を実現、非周期性の高い独自のカラーフィルター配列により、光学ローパスフィルター無しでモアレや偽色の発生が抑えられる
測距点を従来モデルの49点から77点(最大273点)まで拡大
X-Pro2では、光学ファインダー(OVF)と電子ビューファインダー(EVF)をレバー操作で瞬時に切り替えられる。更にレンズの焦点距離に応じてOVFの倍率が自動で変わる「マルチマグニフィケーション」機能と、OVFの右下隅に小型EVFを表示する「エレクトロニックレンジファインダー」機能を新たに加えた3種のファインダースタイルを持つ。EVFには236万ドットの液晶パネルを採用。
本カメラの特長の1つであるアドバンストハイブリッドマルチビューファインダー
フィルム写真と同様の被写界深度の感覚で使うことが出来る「被写界深度スケール」
超微粒子で知られる白黒フィルム「ACROS」の名の新フィルムシミュレーションを加えた15モードを持つ。被写体や撮影シーン、表現意図などに合わせた豊かな色再現と階調再現を、フィルムを交換するような感覚で使い分けることが出来るようになった。また、フィルム写真が持つ独特の粒状感を再現するグレインエフェクトも全てのフィルムシミュレーションと併用できるようになっており、このエフェクトはRAWデータからカメラ内RAW現像で付加することも可能。
グレインエフェクト
それぞれの設定値を変えながら複数枚連続で撮影するブラケティング機能では、ISO感度、ダイナミックレンジ、フィルムシミュレーション、ホワイトバランスの5つのオートブラケティング撮影が可能。1回のシャッターで3種類のブラケティングを行うことができる。
フィルムシミュレーションブラケティング。左からPROVIA/スタンダード、Velvia/ビビッド、ASTIA/ソフト
SDカードを2枚挿入できるデュアルカードスロットを採用し、多ショット連続撮影が可能に
静止画記録方式に圧縮フォーマットJPEG、非圧縮フォーマットRAW(14bit)に加えてロスレス圧縮RAWも可能となった。動画はFHD 1920×1080/60pまでで、収録可能時間は約14分。
撮影したRAWデータをカメラ内で現像する機能を搭載
本カメラはWi-Fiを搭載しており、スマートフォンやタブレットといったモバイルデバイスからカメラシャッターや露出設定などをリモートで操作できる。更にモバイルデバイスで取得した位置情報を画像に付加でき、カメラ内のデータをパソコンへ転送することもできる。
併せて、超望遠ズームレンズ「フジノンレンズ XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR」も同日に発売となる。質量は1.4kg以下と、手持ち撮影ができるほど小型・軽量化した。35mm判換算609mm相当の焦点距離で、開放F値は4.5。クラス最高となる5.0段分の手ブレ補正を実現したという。希望小売価格はオープン、市場想定価格は税抜22万~24万円前後。
レンズ構成は、ED(異常分散)レンズ5枚とスーパーEDレンズ1枚を含む14群21枚
(山下香欧)