朝日放送(ABC)は3月4日、子会社の設立および会社分割により、ABCの放送関連事業のうち「アニメ事業」「海外事業」「ライセンス・物販事業」の3事業を中間持ち株会社によって管理、運営する体制に移行する事業再編を行うことを発表した。本件は、同日の取締役会にて決議されたもので、吸収分割契約など事業再編の詳細については、5月開催予定の取締役会にて決議する予定である。

今回の事業再編への決議へ至った背景には、現在のテレビ視聴環境や視聴形態の多様化やコンテンツの海外輸出を含め、日本のコンテンツビジネスが変革の渦中であることが挙げられている。同社はこれらに柔軟に対応できる体制づくりが急務であると判断した。

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総務省情報通信政策研究所が3月2日に発表した「放送コンテンツの海外展開に関する現状分析(2014年度)」の調査結果より。2014年度の日本の放送コンテンツ海外輸出額は約182.5億円

そこで、「ABCアニメーション」「ABCインターナショナル」「ABCライツビジネス」という独立した三つの事業会社を設立し、それぞれベストな成長戦略を立てられるようにした。さらに、この3つの事業会社をマネジメントし、その成長をバックアップする中間持ち株会社として「ABCフロンティアホールディングス」を設立する。3事業会社の管理業務を一括して代行するとともに、共通のビジネス資源である「ライセンス(著作権)」の処理、配分支払い業務などを一括代行していく。

今後の日程として、4月5日付で3事業会社および中間持ち株会社を、各社資本金1,000万円、ABCの100%子会社として設立する。7月1日付でABCは4社の増資を引き受け、ABCの各事業を3事業会社にそれぞれ会社分割する。さらに3事業に関わる経営管理事業を、中間持ち株会社に承継させる会社分割を行う予定。

(山下香欧)