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4K30fpsのライブVRストリーミング可能なカメラシステム「Orah 4i」を紹介する。
開発元はインテル社やFacebook、RedBull、Skyなどと提携し、360度映像を制作するスタジオを持つVideoStitch社。同社のコア技術として、マルチカメラで撮った映像を、CPUとCUDA対応GPUとのハイブリッドレンダリング処理で、リアルタイムにつなぎ合わせるソフトウェアベースの映像処理技術を持っている。最新のライブVR編集ソフトウェアVahana VRでは、GoProからDSLRカメラまでVRカメラシステムを問わずにライブでVRストリーミングが行えるという。
Vahana VRのPV
今回、VideoStitchが開発したオリジナルのVRカメラを持つOrah 4iは、4個の魚眼レンズで360度全方をカバーしながら映像を収録し、各映像をリアルタイムにつなぎ合わせ、1つのストリームとしてIP転送する機能を持つ。
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サイズは80mm×70mm×65mm、重さは482g
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カメラヘッドは、解像度2048×1536のSony Exmorセンサーに、8層構造のMCガラス製f値2.0魚眼レンズを実装する
カメラヘッドとバンドルされるライブ処理ユニット「Stitching box」は、Linux OS、Intel CPUとNVidia GeForce GPUを搭載した、リアルタイムでスティッチ処理を行うPCボックス。ストレージには120GBのSSDを搭載している。映像はFOV360全球でライブ解像度は最大4K30fps(4800×2400)、フォーマットはH.264でビットレートは最大25Mbpsまで。
オーディオに関しては、4チャンネルの全球サラウンドサウンド技術のアンビソニックスBフォーマットを出力できる。プロジェクション形式については、現在は正距円筒のみで、時期を見て別の標準形式を追加していくとしている。出力プロトコルはRTMP経由でHLS形式。任意のCDNから配信できるようになっている。
Orah 4iの発売は2016年中を予定しており、現在のプリオーダ中は実売価格の半額1,795ドルだ。来週から始まるNABでは、フランスパビリオン内にブース出展する予定となっている(サウスホール/SU6418)。
ノキアが市場に投入したOzoもカメラでライブVRが行えるシステムとなっているが、OzoのVRカメラには8個のカメラセンサーを持っており、DPXでも出力できる特長および価格が6万ドルと、VR映画製作会社をターゲットとした製品となっている。
(山下香欧)
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