NAB2016のソニーブースでは、新製品として発表したBRC-H900をハイスペックモデルに、IPネットワークカメラが至る壁に設置されていたが、それらとは別に、スタジオセット向けにトライポッドにマウントされた、初の4Kリモートネットワークカメラ「BRC 4K」が参考出展されている。1.0型(13.2×8.8mm)裏面照射型“Exmor R”CMOSセンサーと、光学12倍ズームにツァイスブランドの標準ズームVario-Tessar Tが採用されている。このズームは4Kであれば18倍、そしてHDでは24倍まで鮮明なイメージを届けられ、HFOVは64.6度となっている。イメージフォーマットは、4K(3840×1080)/29.97ap、FHD/60p/i、720/60p50pが選択できる。

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インターフェイスはデュアルリンクの3G-SDIとHDMIを装備し、RJ245x 2RS(In/Out)、Genlock付きで、LANはVISCA経由、電源はLANケーブルから電源供給するPoEに対応している。現行のリモートカメラ用のジョイスティック付きリモートコントローラーが利用でき、このコントローラーによる操作時は、16ポジションまでプリセット可能。そして1台のBRC 4Kを最大6台のコントローラーで制御できるとしている。現在は価格設定まで行っておらず、製品出荷は年内の予定となっている。

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またソニーの1/2.3の型Exmor R CMOSセンサーをOEMした4K30p PTZリモートネットワークカメラがVaddio社からも展示されている。Vaddioの新製品「RoboSHOT 20 UHD」は、12倍光学ズームを採用し、1.67倍デジタルズームで20倍までのズームレンジを持つ。20倍時で、FOVは74度(広角)から4.8度(望遠)まで。同時にHDMI、HDBT、3G-SDIとIP出力が同時に行える。ソニーBRC 4Kとの大きな違いは、センサーのほかに3G-SDIインターフェイス経由でQFHD出力ができないことだ。反面、製品のサイズはBRC 4Kの半分以下である。

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ソニーのPTZカメラでも中サイズのモデルと比較しても、かなりコンパクト

カメラ制御はWebブラウザのほか、マルチビューワー機能を持つコントローラーが利用できるようになっている。このコントローラーによる操作時は、12ポジションまでプリセットができる。

(山下香欧)