キヤノンは、現実映像とCGをリアルタイムに融合するMR(Mixed Reality:複合現実感)システム「MREAL(エムリアル)」の新製品として、ヘッドマウントディスプレイ「MREAL Display MD-10」を2016年5月25日より発売する。希望小売価格は税抜900万円。

MREAL Display MD-10の画角は、水平方向で約60°、垂直方向で約40°と向上し、ディスプレイ上に映し出す面積は従来機種「MREALVisualizer」の約2倍に拡大。解像度も現実映像で約1700×1060、CG部分で1920×1200となっており、自動車の外観や内装のデザインを近距離から確認できることや、ネジのような細かい部品をCGにはめ込むことで作業性を確認することが可能だとしている。

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CGと実物の手を融合した映像例

別売りの新ソフトウェアにより、組み立てやメンテナンスの検証時に、CG映像の中に自分の手を映し出す際のノイズを従来機種に比べ約20%削減し、手とCGの位置関係をより自然な感覚で把握して作業性や操作性を確認することが可能になったという。

使用前に必要とするマーカーの登録を一人で行える「オートマーカーキャリブレーション機能」を搭載し、センサーやマーカーの設置が難しい狭い室内でも、撮影空間にある画像の特徴を活用した空間特徴位置合わせ機能によりディスプレイを利用することが可能。

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MREALの原理

また、3D-UI機能により、CG同士の接触を判定する「接触判定機能」との組み合わせで、手や工具を用いた検証や、建築向けビューワー「BIMx」のシーンをディスプレイ上で移動や視点変更を行いながらの検証、製品の組立工程を順番にディスプレイへ表示する組立てシーケンス検証、生産設備向けのCAD「iCAD」で作成した製品の組立工程を、ディスプレイ上での確認や、空気の流れをCGで3次元化する気流シミュレーションの構築が可能等、さまざまなアプリケーションとの連携により高度な仮想検証が可能だ。