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SIGMAがこの2月に発表した、同社初のミラーレスカメラ「SIGMA sd Quattro」が7月7日(国内)に発売する。Sd Quattroは、同社の一眼レフ「SD1 Merrill」のコンセプトを継承しながらミラーレス構造を採用したカメラで、dp Quattroの持つ高画質Foveon X3ダイレクトイメージセンサー(Quattro)およびQuatro専用画像処理エンジン「デュアルTRUE III」を搭載している。
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APS-C Foveon X3 Quattro CMOSセンサーを採用。APS-Cサイズながら3,900万画素と中判相当の高画質を実現する
Quattroセンサーは、演算によって画像を生成する一般的なベイヤーセンサーとは異なり、光の情報を垂直方向にまるごと取り込める世界唯一のセンサー方式で、3層構造になった各層の全ピクセルでフルカラー情報を取得する。
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新Quattroセンサーでは、新たな3層構造1:1:4を採用し、輝度情報はトップ、色情報はトップ、ミドル、ボトムの3層で取り込む
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外形寸法は147mm×95.1mm×90.8mm。重量は約625g(電池とカードを除く)。レンズマウント部が大きく出ている外姿で、グリップ部位の高さがマウント側よりも短い
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レンズマウントはシグマSAマウントを採用し、Contemporary、Art、SportsのSIGMA GLOBAL VISIONレンズをアダプター無しで使い回しができるが、撮影シーンによってはカメラのAF動作に制限があることが判明している。この詳細はメーカーの公式ページで案内されている。
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AFには、位相差検出とコントラスト検出の2方式を採用。オートフォーカスモードは、通常の撮影用のシングルAFと、コンティニュアスAFが選択できる。測距点選択のモードは、9点選択モード、自由移動モード、顔優先AFモードがそろい、測距点のサイズは3段階から選べるようになっている。
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撮影モードには新しく、ノイズ低減した画像生成を可能にする、SFD(Super Fine Detail)が搭載された。
一回のレリーズで7枚の露出の異なる画像を取得し、専用RAWデータ(X3Iファイル)を生成する。ポスト処理時に、専用ソフトウェア「SIGMA Optimization Pro」を使って、このRAWデータからHDRのノイズレスな画像を生成できる。
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撮影メニューの画像サイズ。S-HIとS-LOモードはRAWでの記録ができない
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EVFは約236万ドットのLCDで、液晶モニターには約162万ドット3.0型TFTを搭載。横に撮影可能枚数やシャッタースピード、絞り値、ISO感度等の情報を表示するサブモニターを持ち合わせているのが特徴。ライブビュー画像と設定情報を同時に見ることができるので便利だ。
価格は国内ではオープン価格となっており、単体およびSIGMA sd Quattro 30mm F1.4 DC HSM | Artレンズキットをのパッケージも提供される。米国ではボディ単体で800ドルを切る。SIGMA 30mm f/1.4 HSM Artレンズとのパッケージでは、1000ドル。尚、センサーサイズが26.6×17.9mmの、新開発APS-H Foveon X3 Quattro CMOSセンサーを採用したSigma sd Quattro Hのほうは、発売日および価格ともに未定のままである。シグマからインプレッションのページが公開されている。
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sd Quattro専用のパワーグリップ(オプション)。専用バッテリーを最大2本収納可能で、sd Quattro本体と合わせると単体使用時の約3倍の撮影が可能
なお同社は、7月2日東京・青山にて「sd Quattro 体感イベント」を開催する(入場無料)。イベントブース内にて製品実機を体験できるほか、イベントスペース近辺で撮影が自由に試せる貸出しも行う。またハンズオン体験開催時間中には、フリーランスフォトグラファー三井公一氏を迎えたトークショーが行われる。
(山下香欧)
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