ソニーは、英パインウッドフィルムスタジオ内に所有するデジタルモーションピクチャーセンター・ヨーロッパ(以下:DMPCE)の一環として、IPライブスタジオを立ち上げた。ソニーの発表文では、「ready today, open for tomorrow」というテーマで開拓しているIPプロダクションに向けてのコミットメントを証明するものとしている。

IPスタジオには、IPライブプロダクションが実施できるシステムが設置されており、現在実施しているIPトレーニングセンターとソニーが提唱する、映像のIP伝送規格NMI(ネットワーク・メディア・インターフェース)向けのテストベッドとして併用される。

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新設スタジオに常設されたNMI対応ライブプロダクション機材

放送事業者やプロダクションがIPプロダクションへ移行を検討している中、実機での検証が行える環境を探すのはまだ厳しい。ソニーは新スタジオで、IPプロダクションの教育資源と実用的ツールを提供し、自社が推奨するNMIを利用したライブプロダクション・エコシステムを広げていく。

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施設内で用意されたシステムは、同社のHDC-4300システムカメラ、BPU-4500ベースバンドプロセッサ、SDI-IP変換ボードNXLK-IP40Fをはじめ、NMI対応パートナー社のルーター、グラフィック、ネットワーク、サーバーシステムなどが揃っており、現行SDIを引き回して行っている各種システムがIPで統一して行えるようになっている。DMPCEでは、この新スタジオを使って4日間のトレーニングプログラムを開講している。

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現在、NMI向けのIPライブアライアンスパートナーは50社以上に及ぶ(加入社は2016年3月までのもの)

(山下香欧)