Blackmagic Designの発表によると、オーストラリアのシンガーソングライターで女優のケイト・ミラー=ハイドキーとメルボルン交響楽団の公演にて、Blackmagic Micro Studio Camera 4KおよびStudio Camera 4Kを使用して4K収録を行ったという。オーストラリアのテレビ制作会社であるAvocaBlueは同公演の撮影にあたり、ATEM 1 M/E Production Studio 4Kライブプロダクションスイッチャー、Smart Videohub 20×20ルーター、HyperDeck Studio Pro放送デッキなどでフライパックを構築した。

2017年始め、ケイト・ミラー=ハイドキーが、オーストラリア各地において複数のオーケストラと共にコンサートツアーが開催され、メルボルン交響楽団との公演はツアーの始めに行われた。トビー・パーキンソン氏および技術監督のベンジャミン・ドウドニー氏によって撮影され、Foxtelのアート専門チャンネルで放送された。ポストプロダクションでは、DaVinci Resolve Studioを使用して、ニュージーランドのオークランドに拠点を置くDepartment of Postが編集とカラーコレクションを行なった。

AvocaBlueは、5台のBlackmagic Micro Studio Camera 4Kおよび2台のStudio Camera 4Kを使用して放送用の撮影を行なった。これらのカメラは全てATEMスイッチャーに接続された。演奏者やケイト・ミラー=ハイドキーのクローズアップを撮影するためにBlackmagic Micro Studio Camera 4Kを舞台上の様々な場所に配置し、また2台のStudio Camera 4Kはワイドショットの撮影用として舞台正面に配置した。

加えてライブスイッチングにATEM 1 M/E Production Studio 4KおよびATEM 1 M/E Broadcast Panel、7台のCCUコントロールにATEM Camera Control、カメラとの光ファイバー接続にSmart Videohub 20×20およびATEM Talkback Converter 4K、ラインカットと選択したカメラのSSD収録に複数のHyperDeck Studio Pro、4Kでのモニタリング/テストにSmartView 4KおよびSmartScope 4Kを使用した。

AvocaBlueの移動式セットアップは、アデレード交響楽団とミリアム・マーゴリーズ氏による「ピーターと狼」や、サー・アンドルー・デイヴィス指揮によるメルボルン交響楽団とバイオリン独奏者のマキシム・ヴェンゲーロフ氏の公演にも使用された。ドウドニー氏は次のようにコメントしている。

ドウドニー氏:昨年1年をかけてFoxtelのアート専門チャンネルでの放送向けに、カメラ7台を使ったフライアウェイキットを構築し、メルボルン交響楽団、クイーンズランド交響楽団、アデレード交響楽団、オーストラリア・ワールド・オーケストラなどのオーストラリアの主要な交響楽団の生演奏を撮影しました。

このキットはBlackmagic Designの製品を100%使用して構築した移動用の放送セットアップの一式ですが、持ち運びに便利なように内容が凝縮されています。このセットアップを使った最初の撮影はメルボルン交響楽団のクリスマスコンサートだったのですが、非常にうまく機能したので制作スケジュールを拡大して、オーストラリア各地での撮影を含めることができました。

今回のケイト・ミラー=ハイドキーの撮影のように、オーケストラの前に立ってパフォーマンスを行うアーティストの撮影を成功させるには特殊なテクニックが必要です。パフォーマンスの邪魔をしたり、指揮者と歌手と演奏者の間の視界を遮らないようにすることが極めて重要です。Blackmagic Designの機器はコンパクトなので放送の品質に妥協することなくキットの構築が柔軟に行えました。

ドウドニー氏:Blackmagic Micro Studio Camera 4Kは手のひらサイズにも関わらず、非常に美しい4Kのフッテージが得られます。コンサートのような照明が限られている状況でも非常に満足のいく映像が撮れました。サイズが小さいので目に付かないように小ぶりな独自のカメラスタンドが作成でき、演奏者の間や舞台の前にスタンドを設置できたので臨場感あふれる映像を視聴者に提供できました。

この公演の質の高さは非常に高い評価を得たので、メルボルンでの収録の世界配信権を獲得しました。これは、ドイツのUnitelを通して行われます。同社はその頃4Kの取り扱いを増やすにあたり、適した映像を探していました。これも、Blackmagic Designの製品によるところが非常に大きいと思っています。

撮影後のフッテージはオークランドのDepartment of Postに送られ、DaVinci Resolve Studioを使用して最終的な編集とカラーコレクションが行われた。Department of Postの総括マネージャーのジェームズ・ブルックス氏は、次のようにコメントしている。

ブルックス氏:DaVinci Resolve Studioは4Kの映像と非常に相性が良いですね。AvocaBlueが基本的なカラーコレクションを全カメラでATEMスイッチャーを通じて行っていたので、送られてきたフッテージはすでに良い状態で、すぐにグレーディングに取りかかることができ、質の高いものを生み出すことに集中できました。カメラから直接フッテージをDaVinci Resolve Studioに取り込むことができ、追加の作業が発生しなかったのは助かりました。