今月中旬に開催された「ケーブル技術ショー2017」にて、武蔵エスアイ株式会社が出展した製品の1つ、英PHABRIX社製「Qxシリーズ」を紹介する。
Qxシリーズは、2015年のNABで市場に先駆けて12G-SDIに対応した、自動QC(クオリティチェック)&監視用システムとしてPHABRIX社がリリースした製品。ハーフラックサイズの筐体で入出力系統を持ち、最新FPGA技術で各アナライズ処理、自動検出を行う。
ソフトウェアベースのツールには、リアルタイムで12G-SDI物理層分析するものから、ネットワークの混雑やパケットインターバルタイミング測定、ベクトルスコープ、波形モニター、CIEチャートやHDRヒートマップといったHDR/WCG測定ツール、最大128チャンネルのオーディオモニタリングなど、20種類ほどの測定・監視ツールをそろえている。1台のPCモニタースクリーンに、最大12つのツールをマルチディスプレイ可能だ。
Qxシリーズには2モデルが用意され、QxIPはSMPTE2022-6と3G-SDIの両方の入力を標準装備している。Qx12Gはネーミングのとおり、SDI-12Gの入出力を各4系統持っており、物理的にはUHDTV1(4K 2160p 120)およびUHDTV2(8K 4320p 60)が持つ最大48Gbpsのペイロードに対応可能。
Qx12Gでは、HDR(Dolby PQ対応)を含むテストパターン生成、出力が行える。さらに近々HLG/S-Log3 HDR対応予定としている。
また、SDI-12Gの1系統を使った、独自RTE(リアルタイムアイ)技術で、SMPTEコンプライアンスエラーを検出する。
HDRヒートマップ
コンパクトで静音を保つ筐体で、IP/ベースバンド系統を持ったQxシリーズならば、イベント中継など限られたスペースでのライブプロダクションに加え、IPプロダクション環境にも適応するIP/ベースバンドハイブリッドの万能な自動検出ツールになる。武蔵エスアイでは現在、Qxシリーズで12G-SDIを標準装備しているQx12Gモデルを取り扱っている。9月のIBCでは、SMPTE 2110 IP信号に対応するQC/解析ツールが加わる予定だ。
(ザッカメッカ)