ソニーは、レンズ交換式デジタル一眼カメラα7シリーズの新商品として「α7R III」を2017年11月25日に発売する。メーカー希望小売価格はオープンで、市場想定価格は税抜370,000円前後(ボディのみ)。

α7R IIIは、35mmフルサイズセンサーとして裏面照射型構造を採用した、有効約4240万画素のExmor R CMOSセンサーを搭載。常用ISO100~32000、拡張ISO50~102400の感度域をカバー。低感度時は約15段のダイナミックレンジを実現。ディテールリプロダクション技術・エリア分割ノイズリダクションも向上し、中間度域にて約1段分のノイズが低減されているという。

5.5段の補正効果を実現する光学式5軸ボディ内手振れ補正を搭載。また、新開発のシャッターチャージユニットにより、シャッター振動によるブレの影響を抑えつつ、最高約10コマ/秒の高速連写が可能。約50万回のレリーズ耐久性と静音性を備えている。

14bitの圧縮/非圧縮RAWフォーマットに対応しており、画像処理エンジンBIONZ XとフロントエンドLSIのシステム内で一度16bit処理を行ってからRAW画像に14bit出力することでハイライトからシャドーまで豊かな階調が表現可能だという。画像処理システムの向上により、サイレント撮影時や連続撮影時にも14bit RAW出力に対応している。

有効約4240万すべての画素でRGBの全色情報を得て補間処理を行わず、直接合成して画像を生成するピクセルシフトマルチ撮影が可能となり、色モアレ(偽色)の発生を最小限に抑える。撮影した画像は新ソフトウェア群「Imaging Edge」で合成・現像が可能。

AF/AE追随最高約10コマ/秒の高速連写が可能になり、サイレント撮影時にも高速連写が行える。バッファメモリーの大容量化やシステムの高速化、UHS-II採用により、JPEGと圧縮RAWで76枚、非圧縮RAWで28枚の連写が可能。

フォーカスポインターの移動が行えるマルチセレクターを搭載。直感的にAF測距点を選択できるとしている

399点の像面位相差AFセンサーと、425点のコントラストAFにより広範囲・高密度にカバーエリアを配置。α7R IIと比べて低照度時のAF速度が最大で2倍、動体追随性能も従来比で最大2倍向上している。また、検出精度・速度が向上し追随性能も約2倍となった瞳AF機能も搭載。Aマウントレンズ装着時も瞳AFに対応。タッチパッド機能によりファインダーを覗きながらフォーカス位置の移動が可能となった。また、タッチフォーカス機能によりモニターをタッチすることで即時的にフォーカス枠の位置を指定できる。

静止画撮影時にピントを合わせたいエリアを選択し、拡大表示させた状態でオートフォーカスでピント合わせが可能。専用位相差AFセンサーを搭載していないマウントアダプター(LA-EA3)を介してAマウントレンズを装着時でも像面位相差AFに対応している。その他にもAFオンボタン搭載によりボタンを押すだけでAFによるピント合わせが行える。

スーパー35mm(APS-C 16:9相当)フォーマットによる4K撮影時は、画素加算のない全画素読み出しにより4K(QFHD:3840×2160)映像に必要な画素数の約1.8倍の情報量を凝縮して4K映像を出力するため、モアレやジャギーの少ない4K動画画質を実現。フルサイズ領域での4K動画記録の中高感度画質が従来機より向上している。記録方式はXAVC SやAVCHDを採用し、XAVC S選択時は4K動画記録(3840✕2160)、フルHD動画記録(1920✕1080)共に100Mbpsの高ビットレートの記録に対応。フルHD時は、120fpsのハイスピード撮影に対応する。

HLG方式による4K HDR撮影に対応。HLG方式で記録した映像は、撮影後にカラーグレーディングを必要としないため、効率的なHDR映像の制作が可能だとしている。最大5倍までのスローモーションと最大60倍までのクイックモーション撮影(最大50Mbpsでの本体記録が可能)、S-Log3やS-Gamut3.Cineなどの収録、4K動画とProxy動画の同時記録にも対応している。

UHS-II対応のデュアルスロットを採用。2つのメディア間でリレー記録や同時記録が可能

SDカードスロット(UHS-II対応)とSD/MSカードスロットの2つのメディアスロット搭載により、2つのメディア間でリレー記録や同時記録、RAW/JPEG・静止画/動画の振り分け記録、メディア間コピーが可能。

約369万画素の60fps/120fpsで表示可能なQuad-VGA OLED Tru-Finderを採用しており、最大輝度が約2倍となり、ファインダー倍率0.78倍(全表示域の対角視野約38.5°)を実現。撮影可能な状態になるまでの時間は約30%高速化した。液晶モニターは3.0型約144万ドットのチルト可動式液晶モニターを採用。トップカバーやフロントカバー、内部フレームに加えて、リアカバーにも軽量かつ剛性に優れるマグネシウム合金を採用し、堅牢性と軽量化を両立。ユーザーの声を反映してグリップ形状を見直し、大口径レンズ装着時のホールド性が向上。

本体に3つまで、メモリーカードには4つまでモードやカメラ設定を登録可能

NP-FW50の約2.2倍の容量をもつNP-FZ100バッテリーを採用。さらに、NP-FZ100を最大2個装着可能な縦位置グリップ「VG-C3EM」(別売)や、最大4個のNP-FZ100を収納可能なマルチバッテリーアダプターキット(別売)などの、長時間撮影をサポートするアクセサリーにも対応している。USB 3.1 Gen1対応のUSB Type-C端子採用により、大容量ファイルの高速転送が可能となり、PCリモート撮影時にはカメラ本体側にも静止画保存できるようになった。

USB Type-C端子およびマルチ/マイクロUSB端子搭載での給電に対応。USB Type-C端子で給電もしくはPCリモート撮影中でもリモコンなどのマルチ/マイクロUSB端子アクセサリーを同時に使用可能