メ~テレ(名古屋テレビ放送)は、秋に開催する恒例の大イベント「メ~テレ秋祭まつり2017」にて、ハイブリッドキャストを使った4Kライブ配信のデモンストレーションを一般公開した。

名古屋市中区の久屋大通公園一帯で主催する「メ~テレ秋まつり2017」。毎年、2日間通して20万人以上の来場者数を誇る

メ~テレは「4K・8K」「ハイブリッドキャスト」といった先進的な放送技術について積極的に取り組んでおり、この野外イベントを利用して実験の一般公開も行っている。同局は2015年、4K/HDR対応の編集室を設立しており、新設備にて制作した特別番組のダイジェスト版を、メ~テレ秋まつりの野外ステージに設置した大型4Kモニターで上映した。そして昨年においては、現行の地上波放送と、通信による4K映像の同期放送を想定した、ハイブリッドキャスト技法を使った4Kライブ配信の実証実験を成功させた。

昨年においては、現行の地上波放送と、通信による4K映像の同期放送を想定したハイブリッドキャスト技法を使った4Kライブ配信の実証実験を成功させ、今回は、昨年のハイブリッドキャストの仕組みを深化させ、ケーブルテレビ網を使った4Kライブ配信を試した。現行の地上デジタル放送と通信回線で配信する同じ内容の4K放送を同期させる「4K同期放送」を想定したもの。この仕組みでは、伝送路にケーブルテレビ網を使うことで、インターネットを通さずにハイブリッドキャストサービスを受けられる。

今回は、昨年のハイブリッドキャストの仕組みを深化させ、ケーブルテレビ網を想定した4Kライブ配信を試した。現行の地上波デジタル放送と通信回線で配信する同じ内容の4K映像を同期させる「4K同期放送」を想定したもの。この仕組みでは、伝送路にケーブルテレビ網を使うことで、インターネットを通さずにハイブリッドキャストサービスを受けられる。

今回のメ~テレ秋まつり2017は、総務省「ブロードバンドの活用による放送サービスの高度化に向けた技術等検証事業」の一環として実施し、KDDI株式会社、株式会社ネクストウェーブと株式会社コミュニティネットワークセンターが、本プロジェクトの共同実施企業として参加した。現場では、イベント会場内の「光の広場」に6台の4Kカメラを設置し、ステージで繰り広げられるイベントを撮影する。

バラシ式の運用仮設にて、スイッチャーでスイッチングしたライブソースを、ステージに設置した4K対応180インチのマルチモニターに上映すると共に4Kライブストリーミング映像用として、ケーブル網を想定した模擬環境にベースバンドで送る。

メ~テレ秋まつり2017会場 光の広場「4Kライブ&ストリーミング」ブース

模擬環境は、同会場内「光の広場」にある「4Kライブ&ストリーミング」ブースに構築した。伝送してきたライブソースを、AWS Elemental社製のライブエンコーダが受けてMPEG-DASH/HEVCにエンコードし、FLUTE(File Delivery over Unidirectional Transport)/QAMで構築した模擬ケーブルテレビ網のRF伝送経由で、家庭用4KテレビまでIPマルチキャスト配信によって映像を届ける。

ケーブルテレビ用セットトップボックスには、新開発のハイブリッドキャスト機能を実装した、KDDI社製のSTBが用意された。

2日間に渡ってブースで実証実験が一般公開されている間、立ち寄る来場者からアンケートによるヒヤリングも行った。来場者の意見として将来このサービスが実用化され、地上波を4Kで見ることができるようになった場合、ある程度の課金(有償)になるのは当然であるという見方が多かったように見受けられる。

(ザッカメッカ)