©Craig Mitchell
Blackmagic Designの発表によると、アメリカのポップロックバンドのトレインによる「Play That Song」夏季ツアーで、Teranex AVを信号変換に使用したという。また同ツアーでは、Smart Videohub CleanSwitch 12×12ルーター、Videohub Smart Control、HyperDeck Studio Pro、SmartView Duo、UltraStudio 4Kなどが使用された。
トレインは「Drops of Jupiter(Tell Me)」「Calling All Angels」「Hey,Soul Sister」などでチャートを賑わせており、アルバム「A Girl,a Bottle,a Boat」のプロモーションとしてスタートした2017年の「Play That Song」コンサートツアーでは、O.A.R.やナターシャ・ベディングフィールドが前座を務めた。5月のラスベガス公演を皮切りに始まった同ツアーは、10月の北アイルランド公演で幕を閉じた。
シカゴに拠点を置くプロダクションデザイン会社So Midwestのプロダクションデザイナーであるロブ・ジブソン氏は、ツアー中にTeranex AVを使用してd3メディアサーバーからのHDMI信号をビデオウォール用にSDIに変換した。
ジブソン氏:Teranex AVは素晴らしい製品ですね。主な理由は2つありますが、メディアサーバーからの1つの4K HDMI信号を変換して、4つの1080 SDI信号を得られたことがその1つです。
複数のコンバーターを使う際に常に問題になっていたのが、出力をリクロックさせる必要があったことです。4台のコンバーターからの異なる出力信号を同じフレームレートとリフレッシュレートにすることは非常に頭の痛い作業でした。しかしTeranex AVで4つの信号から1つの出力を得られるので、非常に多くのピクセルを同期させて送信できます。1つのクリップを複数のディスプレイで表示しても、全てが完璧に同期された状態で表示されます。低遅延のTeranex AVは非常に優れたコンバーターですね。特にコンサートでその威力を発揮します。
Teranex AVからの出力は、Videohub Smart Controlを接続したSmart Videohub CleanSwitch 12×12に送信された。バックアップのd3メディアサーバーと、バックアップのTeranex AVもSmart Videohub CleanSwitchに送信され、異常が発生した際にはVideohub Smart Controlがマクロを起動して、Smart Videohub CleanSwitchが他の入力に切り替えるように設定された。さらに、Teranex AVをカメラからの3つの入力の分配増幅器として使用した。Videohub Smart Controlを使用することで、セットアップ中に異なる角度からチェックが行え、確実に4つの入力信号が得られているかテストできたという。
また、複数のHyperDeck Studio Proを使用して、収録や幕間にCMの再生を行なった。舞台の様子をモニタリングするためにSmartView Duoも使用したほか、UltraStudio 4Kを入力および出力に使用し、最終的な合成のレンダリング前に、メディアサーバーで事前にレンダリングしたコンテンツをライブで確認した。
ジブソン氏:かつてはコンテンツを作成し、ファイルを書き出したあと、別のコンピューターでファイルを読み込み、どのように見えるか再生して確認していました。しかも、会場に到着するまで実際にどのようなルックになるか分からず、会場によって要件も異なるので苦労しました。UltraStudio 4Kを入力としてd3のStage Visualizerを使用できることが分かり、コンテンツを作成しながらルックを確認できました。UltraStudio 4Kをコンピューターの補助ディスプレイへの出力に使用しました。これにより、レンダリングとファイル転送に掛かっていた時間を節約でき、本当に助けられました。
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ジブソン氏:Blackmagic Designの製品は、ワークフローの様々な場面において効率を上げるのに大きな貢献を果たしています。毎日移動を繰り返し、毎晩、新しい場所でセットアップを行うコンサートツアーでは、少しでも作業時間を削ることができるのは非常に大きな助けになります。これらの製品は日々の作業の鍵を握る存在で、このツアーを成功に導いた影の主役と言えます。